研究課題/領域番号 |
06454386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
具 英成 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40195615)
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研究分担者 |
齋藤 洋一 (斉藤 洋一) 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (90004803)
富永 正寛 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
黒田 嘉和 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (70178143)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 肝灌流化学療法 / 肝静脈分離 / 活性炭吸着 / 肝細胞癌 / 骨盤腫瘍 / 子宮癌 / 肝潅流化学療法 / 肝癌 |
研究概要 |
癌化学療法において全身的副作用を軽減し腫瘍への薬剤到達性を向上させる新しい治療システムとして著者らは、静脈分離・活性炭吸着による臓器灌流化学療法を開発した。この研究では肝臓、骨盤臓器および膵臓の3つの腹部領域における悪性腫瘍に対して本療法を軸とした集学的治療体系を確立することを目指した。まず平成6年度には肝臓癌に対する肝静脈分離・活性炭吸着による経皮的肝灌流化学療法の手技の改良を達成し、同一例で反復療法を開始した。その結果、単回治療に比べて反復治療では肝癌に対し強力なlocal controlが得られることを実証し、国内外でその成果を報告した。また骨盤領域癌に対する経皮的骨盤灌流化学療法については産婦人科と連携し進行子宮癌の治療への応用に着手した。膵癌に対する門脈分離・活性炭吸着による膵動注化学療法についてもその有用性を実験的に証明することができた。ついで平成7年度には肝細胞癌に対し経皮的肝灌流化学療法による反復治療を寛解導入療法として位置づけ、維持療法として皮下埋植式カテーテルシステムからの少量間歇的動注を行う集学的治療プロトコールを作成し、実施に移した。骨盤領域癌については進行子宮癌のdown stagingを目的に術前に骨盤灌流化学療法を2回反復するプロトコールを作成しその有用性を検討した。その結果3例中1例では組織学的に100%腫瘍壊死を、他の2例ではPRが得られ、本療法の有用性を実証することができた。本研究の最終年度にあたる平成8年度には膵腫瘍に対しても本療法の応用を準備したが、該当症例がなく臨床応用には至らなかった。肝細胞癌に対する経皮的肝灌流化学療法を軸とする集学的治療の成績については治療例30例について長期遠隔成績の評価を開始した。その結果、従来著しく不良であったStageIV症例でも本療法により5年生存率が40%に達し、30例中4例で2〜4年に達する長期完全寛解が得られることが明らかになった。また大腸癌肝転移も15例の治療例を集積し本療法の有効性について実証した。以上、本研究課題の推進を通じて本療法が腹部臓器癌に対する新しい治療手段になることを証明することができた。
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