研究課題/領域番号 |
06454390
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 講師 (30169239)
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研究分担者 |
重岡 宏典 近畿大学, 医学部, 助手 (70247998)
廣畑 健 近畿大学, 医学部, 講師 (60228848)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | インターロイキン2 / 肝転移 / 肝動注療法 / 免疫化学療法 / 肝類洞壁細胞 / 肝抽出率 |
研究概要 |
大腸癌の切除不能肝転移に対してIL-2とMMC,5-FU併用免疫化学肝動注療法が高い奏功率(75%)を示したこと(pilot study)をもとに、その有効性を確認するために多施設共同での無作為化臨床試験(Phase II)を施行した。46例の登録(うち適格42症例)を得た中間解析での奏功率は化学療法単独群が40%であったのに対してIL-2併用群では60-78%と高く、pilot studyを支持する結果が得られたため、さらに大きな規模での臨床治験(後期第II相試験)に進むことになった。これら臨床治験と並行して、本法の作用機序の解析をラットの肝動注の実験系で進めてきた。平成6年度はIL-2肝動注による肝類洞内リンパ球機能の免疫学的変動を、平成7、8年度はおもにIL-2の薬理学的作用に重点をおいて解析を行った。その結果、IL-2肝動注によって肝類洞内リンパ球の^<51>Cr遊離法によって測定されるNK,LAK活性は増強し、さらに総リンパ球数は数倍に増加していた。したがって肝臓全体としての抗腫瘍活性はそれらの積として著明に増強することが判明した。IL-2の薬理学的作用に関する検討では5-FUとMMCの肝抽出率(HER)を測定したところ、IL-2の併用でそれらが上昇することが判明した。この事実は化学療法剤の肝臓での停留率が亢進し、全身的な副作用が軽減することを意味する。さらにIL-2併用による肝臓内5-FU代謝酵素の変動を検討したがIL-2併用によってもTS(thymidylate synthase)やDPD酵素活性に大きな影響は認められずIL-2によってこれらの酵素活性に変動がおこる可能性は低いと考えられた。以上の結果からIL-2の作用は肝類洞リンパ球の抗腫瘍活性の増強効果と化学療法剤の肝抽出率増強作用によるものが主で5-FU代謝酵素に与える影響は少ないと考えられた。
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