研究課題/領域番号 |
06454418
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
阿部 雅光 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (20136427)
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研究分担者 |
峯田 寿裕 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
白石 哲也 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70206275)
桃崎 宣明 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (30239587)
田渕 和雄 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | Glioma / Herpes simplex virus / Mutant virus / Gene insertion / Antiviral agent / Viral therapy / Herpes Simplex virus / glioma / herpes simplex virus / mutant virus / gene insertion / antiviral agent / viral therapy |
研究概要 |
近年、遺伝子工学を応用し、人工的に遺伝子を操作した変異型ウイルスを作製することにより多くの病原ウイルスの生物学的特性が解析されている。遺伝子を操作した変異型単純へルペスウイルスの中には、神経毒性に関与する遺伝子が欠失したウイルスや、DNA合成に関与する酵素が欠失したウイルスがある。後者の変異型ウイルスは、絶えず増殖する細胞では宿主細胞由来の酵素を代用し増殖するが、増殖しない細胞においてはウイルスの増殖が阻害されるという特性を持つ。 我々は変異型単純ヘルペスウイルスを悪性脳腫瘍の治療へ応用することを目的とした。すなわち既に増殖分裂を終えた神経細胞によって構成される中枢神経系において脳腫瘍は絶えず増殖を繰り返している細胞集団であり、この変異型ウイルスを局所的に投与することにより、脳腫瘍細胞のみを特異的かつ選択的に破壊できる可能性があると考えた。研究を遂行するにあたり、神経毒性に関与する遺伝子ICP34.5及びリボヌクレオチド還元酵素遺伝子の両方を欠失する変異型ヘルペスウイルスを作製しG207と命名した。平成7年度は、この変異型ウイルスの脳腫瘍細胞に対する治療効果を判定した。すなわち、in vitroにおいて、このウイルスが脳腫瘍細胞株に対し殺細胞効果を持つことを確認し、平成6年度に購入した実験動物用定位的脳内注入装置を用いて、ヌードマウスに脳腫瘍モデルを作製しこの変異型ウイルスの抗腫瘍効果を判定した。また同時に、このウイルスの正常神経細胞への影響を解析するために、通常の近交系マウス脳内に大量注入し、50%致死量の判定を行ったところ、この変異型単純ヘルペスウイルスは、野生型に比較し、顕著に神経毒性が減少していることが判明した。
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