研究課題/領域番号 |
06454419
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究分担者 |
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244134)
西 徹 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264309)
濱田 潤一郎 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40253752)
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | PDGF / グリオーマ / トラピジ-ル / MCP-1 / スラミン / NF1 / NF2 / グリオーマ細胞 / Neurofibromatosis / 脳腫瘍 / 増殖因子 / 遺伝子 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
未だ予後不良の疾患であるグリオーマに対して新しい治療体系を確立するために多面的にその増殖機序を検討した。すでに私たちは血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor:PDGF)に依存性に増殖するグリオーマ細胞に対してPDGF阻害剤であるトラピジ-ルが増殖抑制をきたすことを明かにした。今回、トラピジ-ルによりグリオーマ細胞のprotein kinase-C系のシグナル伝達系を抑制すること、細胞の分化を誘導することを明らかにした。一方、増殖因子阻害剤のスラミンは低濃度ではグリオーマ細胞の増殖を刺激し、mitogen-activating protein(MAP)kinaseを活性化することを明らかにした。現在、トラピジ-ルの臨床応用について検討中である。 さらにグリオーマ細胞からmonocyte chemoattractant protein-1:MCP-1)が産生され、グリオーマ局所の免疫反応に関与することを明かにしている。今回、私たちはPDGF阻害剤がグリオーマ細胞からのMCP-1産生を抑制することを明かにしており、今後、増殖因子のグリオーマに対する免疫反応の調節機序について検討を進める予定である。 また、MCP-1を大量に発現することにより腫瘍抑制効果が得られる事実から、この遺伝子を用いた遺伝子治療の可能性が期待される。生体内電気穿孔法とプラスミドDNAの動脈内注入を組み合わせた新しい遺伝子導入法を用いてMCP-1遺伝子をラット実験腫瘍細胞内へ導入することに成功した。 脳腫瘍の発生に重要な役割をしめすNF1およびNF2蛋白に対する抗体を作製した。とくに抗NF2抗体と特異的に結合する85kdaの細胞内蛋白がNF2蛋白の示す癌抑制機能に重要な働きを示すと考えられ、この蛋白の精製.解析について検討中である。 以上、グリオーマの増殖機序について分子生物学的に解析を進めており、今後臨床応用に進みたい。
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