研究課題/領域番号 |
06454422
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坪川 孝志 日本大学, 医学部(研究所), 教授 (80058958)
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研究分担者 |
川又 達朗 日本大学, 医学部(脳神経外科学), 助手 (20234122)
山本 隆充 日本大学, 医学部(脳神経外科学), 講師 (50158284)
片山 容一 日本大学, 医学部(脳神経外科学), 教授 (00125048)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 意識障害 / 植物症 / 脳深部刺激法 / 神経伝達物質 / 脳循環 / 脳代謝 / 単免関連電位 / プロスタグランデイン / 脳深部刺激療法 / プロスタグランディン / 体温 / 誘発電位 / 脳波 / PVS / Coma / deep brain stimulation / PCTE_2 / PGD_2 |
研究概要 |
重症脳損傷後に遷延性意識障害に陥り3月を経過すると、植物状態と診断され、そのうち94-97%は植物状態より脱却出来ずに経過する。従来より各種治療法が試みられてきたが、認むべき効果が期待できないために、回復不可能な病変として生命維持のための治療も中止してもよいとされてきた。しかし植物症でも3-6%は自然経過で社会復帰できる症例があり、その重症度にはかなりの多様性があることが指摘されていた。本研究では植物症の病態について検討し、その重症度の評価法を確立し、視床・脳幹網様体とマイネルト核に慢性植え込み電極で刺激することで植物症から回復しえた症例と回復しなかった症例との病態の差異を検討し、新しく設定した植物症の重症度評価法の確実性を確認した。 今回、覚醒機能と認知機能にわけて神経行動学的に完全型、不完全型、移行型に分類でき、慢性脳深部刺激療法によって、不完全型と移行型では回復率が高かった。この重症度の差は脳波・各種知覚誘電位の変化からはとらえがたいが、事象関連電位としてP250の振幅が7-10uVを基準に鑑別できた。更に慢性脳深部刺激に有効例では、刺激により脳温が上昇し、ブドウ糖摂取率・酸素摂取率の増加を認め、大脳皮質の脳血流量が増加し、髄液内のノルアドレナリンとドーパミンが増加傾向をしめした。特にマイネルト核刺激では両前頭葉の血流量の増加が著しく、髄液内のアセチールコリンの増加が認められた。慢性脳深部刺激により植物症よりの回復の良い例ではPGE2が日中に増加し、夜間にPGD2の増加をみた。 回復が困難とされ生命維持療法され絶たれてきた植物症には種々の程度の病態があり、本研究の新しい神経行動学的・神経生理学的診断法を利用することで、慢性脳深部刺激療法によって回復の可能性野ある植物症を選びだせることを明らかにしえた。
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