研究課題/領域番号 |
06454433
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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研究分担者 |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 講師 (30243687)
福澤 健治 (福沢 健治) 徳島大学, 薬学部, 教授 (90035551)
福井 義浩 徳島大学, 医学部, 教授 (50144168)
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 脊髄 / 外傷 / 酸化的ストレス / エイコサノイド / ビタミンC / 一酸化窒素 / 細胞接着分子 / 脊髄損傷 / 過酸化脂質 |
研究概要 |
外傷性脊髄損傷の病態は、圧迫障害と続発する自己崩壊変化の加重により形成されている。この二次的障害には酸化的ストレスが重要な役割を果たしている。今回の研究では、エイコサノイドがこれに深く関与していることを示した。また、脂溶性のビタミンEとともに、水溶性のビタミンCも脊髄損傷での活性酸素消失能を示したが、これらの効果は従来考えられていた協同作用でないことを示した。 次に,活性酸素の供給源の一つである活性化好中球の細胞接着分子(ICAM-1)を介した組織浸潤を検討した。その結果、ICAM-1m-RNAの損傷脊髄での損傷程度に応じた発現をはじめて証明し、損傷後3時間後より開始したICAM-1抗体投与により、脊髄損傷に伴う二次的変化が有意に軽減し、運動機能回復も良好となることを示した。 一酸化窒素(NO)の脊髄損傷との関わりを示した研究は過去になかく、損傷直後の組織中のNOの増加をはじめて示した。また、構成型NO合成酵素(c-NOS)mRNAには変化がなかったが、誘導型NO合成酵素(i-NOS)mRNAは損傷後7日にわたり増加していた。運動機能は、c-NOSの抑制で悪化を、i-NOSの抑制で改善をきたした。またTGF-β1の局所投与により、i-NOS m-RNA発現は抑制され、運動機能回復を早めたが、脊髄内線維性瘢痕組織の増生のためにより最終評価時にはその差は認められなくなった。従って、脊髄損傷後においてもc-NOSは保護的に、i-NOSは障害的に働きうることが示された。 以上の結果、機械的損傷に続発する二次的脊髄障害における酸化的ストレスの重要性が示され、これらの過程に対するICAM-1およびNOの関与がはじめて証明され、これらの機序の阻害が、脊髄外傷後の脊髄変性の防止に役立つことが示された。
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