研究課題/領域番号 |
06454445
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
小栗 顯二 (小栗 顕二) 香川医科大学, 医学部, 教授 (40079934)
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研究分担者 |
蒲生 寿美子 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (40128765)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 麻酔薬感受性 / loss of righting reflex ED50 / セロトニン / メトエンケファリン / ニュウロペプチドY / ドーパミン / グルタメートレセプター / 多因子遺伝 / 麻酔薬抵抗性 / 遺伝形式 / 神経伝達物質 / ドーパミン分泌細胞 / 正向反射 / 母性因子 / x染色体上因子 / ニューロペプチドY |
研究概要 |
1.麻酔薬感受性の遺伝学的分析について:2系統のマウスddNとC57BL(BL)についてLoss of righting reflex(正向反射消失)を指標とした有効麻酔濃度を吸入麻酔薬イソフルラン(ISO)とエンフルラン(ENF)を用いて測定した。マウスは上記2系統のそれぞれの雌雄、両者の雑種1代(F1)、それぞれの戻し交雑を測定対象とした。その結果、以下のようなことが判った。 1)ddNとBLにはENFとISOに対して麻酔薬感受性の差がある。この差は1990年前後ではddNがBLより1.38倍抵抗性であるという結果(小栗)をえたが、今回の結果では1.18〜1.26倍程度に差が縮小していることが判った。つまり継代繁殖と共に低下しており、これについてはddNの麻酔薬抵抗性に関与する遺伝子群の中のあるものが継代繁殖によって失われつつあるものと維測している。 2)Fl及び戻し交雑による感受性差の遺伝的分析では両麻酔薬に関して母性因子と常染色体性因子とが関わっているが、ENFにはX染色体の因子が加わっていることが判った。戻し交雑の子孫の麻酔薬感受性は非常に多様性で、多因子遺伝であると考えられ、そのED50値の遺伝学的推定は実測値と比較した場合困難であった。 2.マウス脳神経伝達物質の免疫組織学的検索:ddN、BL、F1については以下の神経伝達物質について比較検討を行った。 1)セロトニン:海馬CA1、CA2、CA3(神経分布密度ddN<BL)、海馬歯状回(神経分布密度ddN>BL)であった。 2)メトエンケファリン:海馬mossy fiber(染色性ddN>F1'>F1>BL)であった。 3)ニューロペプチドY:頭頂葉大脳皮質(陽性細胞ddN<BL)、視交叉上核(染色性2×ddN、F1、F1'<BL)、室傍核(染色性F1、F1'<ddN<BL)、三叉神経脊髄路核(染色性F1<F1'、ddN<BL)、頚髄後核(染色性ddN<BL)であった。 4)ドーパミン:黒質から線状体へ投射するドーパミン神経系の神経細胞数約30%ddN系>BL、神経終末分布密度ddN系>BL、分布面積ddN系>BL。 5)グルタメートレセプター:海馬のグルタメートレセプター1及び2&3の分布密度ddN<BL、大脳皮質グルタメートレセプター2&3の分布密度はがddN<BL(肉眼観察の印象で画像解析の数値化に至っていない)。 遺伝と神経伝達物質との関連つけには至らなかった。
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