研究課題/領域番号 |
06454458
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
香川 征 徳島大学, 医学部, 教授 (40035738)
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研究分担者 |
鳴尾 精一 徳島大学, 医学部, 助手 (20237621)
金山 博臣 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10214446)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 膀胱癌 / 遺伝子発現 / 浸潤 / 転移 / MMP / TIMP / CD44 / nm23 |
研究概要 |
1)膀胱癌組織における遺伝子発現の検討により、matrix metalloproteinase (MMP) -2の発現、およびそのインヒビターであるtissue inhibitor of metalloproteinases (TIMP) -2とのバランスが膀胱癌の浸潤に密接に関与することが示唆された。また、健常者に比べて膀胱癌患者では血清中TIMP-1値が高く、さらに転移を有する症例において血清中TIMP-1が高かった。 2)膀胱癌および腎細胞癌組織において癌の転移に対して抑制的に作用すると考えられているnm23遺伝子の発現について解析を行ったところ、膀胱癌では正常粘膜に比して癌組織で、また腎細胞癌においてはより進展した悪性度の高い癌組織にnm23の強い発現が確認され、膀胱癌ではnm23が癌の発生や細胞増殖の維持に関与し、腎細胞癌では癌の進展に関与することが示唆された。 3)ヒト尿路上皮癌患者より摘出した組織をSCIDマウスの皮下に移植し、非浸潤性尿路上皮癌および浸潤性尿路上皮癌をin vivo継代し、その生物学的特性を比較検討したところ、非浸潤性腫瘍に比べて浸潤傾向の強い腫瘍でMMP-2の強い発現が認められ、逆にカテニンは浸潤傾向の強い腫瘍で発現の減弱がみられたことから、この浸潤性尿路上皮癌の浸潤にはMMP-2が正に、カテニンが負に関与することが示唆された。 4)腎細胞癌患者血清中インターロイキン6は、進行例および炎症所見を伴い増殖の速いRapid growth typeにおいて高値を示し、一方、腎細胞癌組織においてexon v10が挿入されたCD44変異型の発現増強が同様に進行例、Rapid growth typeで高頻度に認められることより、インターロイキン6およびCD44変異型の発現が腎細胞癌の進展に関与することが示唆された。
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