研究課題/領域番号 |
06454461
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60046117)
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研究分担者 |
古市 泰宏 日本ロシュ(株)研究所内(株)エイジーン研究所, 所長
田中 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00217069)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 精子運動抑制因子 / 精嚢 / 精漿 / 精子無力症 / ダイニン腕 / Semenogelin / 塩基性蛋白 / sperm adhesin family / cDNA / 除膜精子 |
研究概要 |
ブタおよびヒト精漿中に存在する精子運動抑制因子(Seminal plasma motility inhibitor以下SPMI)の精子無力症に対する診断、治療への応用を課題として研究を行い次の新知見が得られた。(1)ブタSPMIを構成する遺伝子の一つのcDNAクローニングに成功し、SPMI蛋白の一次構造を決定した。ブタSPMIは21残期のシグルナルペプチドと116残基の分泌蛋白を含む137残基のアミノ酸からなるポリペプチドであった。このSPMIのmRNAは専らブタ精嚢に発現していた。相同性のある蛋白を検索したところspermadhesin family蛋白の一つであるAQN-3と97%の相同性を有しておりSPMIは12番目のメンバーとなった。(2)SPMIの精子運動抑制機序について:SPMIが活発に運動する正常精子の運動を完全に抑制しうる最低濃度(1500Unit/ml)では、洗浄によって精子の運動が回復したが、高濃度(>2000Unit/ml)では回復せず、SPMIの作用はある濃度までは可逆的であると考えられた。SPMIの局在を免疫電顕法で検討したところ、SPMI蛋白は精子細胞内には存在せず精子細胞膜に付着している所見であった。以上からSPMIは精子細胞膜に付着し物理的にあるいは精子細胞膜からのsecond messengerを介してdynein ATPaseを阻害し、精子の運動を抑制するものと考えられる。(3)ヒトSPMIの前駆物質であるsSemenogelin-I,IIについて不妊症患者および児を持つ正常者からDNAを抽出しPCR法にて変位を検索、精子無力症の遺伝子診断への応用を検討した。その結果2名の患者おび1名の正常者で同一のDNAの欠落部位を認めたが、この遺伝子の欠落が精子無力症の原因と言うには至らなかった。 (4)大腸菌によるSPMI蛋白の発現に成功したが、現段階ではSPMI活性は極弱い。
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