研究課題/領域番号 |
06454479
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
野澤 志朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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研究分担者 |
久布白 兼行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50170022)
青木 大輔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30167788)
塚崎 克己 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40118972)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | フコース転移酵素 / ガラクトース転移酵素 / 子宮体癌 / 卵巣癌 |
研究概要 |
1.我々は、子宮体癌由来株SNG-IIより分別した亜株SNG-S(Lewis^b型糖鎖発現亜株)とSNG-W(H型糖鎖発現亜株)のフコース転移酵素(FT)の活性を測定した。その結果、SNG-SではSNG-Wに比べα1-4FT活性のみが亢進し、この酵素活性の差は遺伝子発現の段階で調節されることが明らかになった。次に両細胞の細胞生物学的特性について検討した結果、血管内皮に対する接着能は、SNG-WでSNG-Sに比べ約2倍の細胞が接着し、SNG-Wの血管内皮に対する接着は、抗H型糖鎖抗体によって濃度依存的に阻害され、他の血液型関連糖鎖に対する抗体では阻害されなかった。また、両細胞をヌードマウスに尾静注した結果、SNG-WはSNG-Sに比べ有意に多くの肺転移が認められた。以上の結果から、Lewis^b型糖鎖やH型糖鎖の発現の有無は、体癌細胞における接着や転移能といった細胞生物学的特性に関与することが明らかとなった。 2.卵巣癌患者血清中で特異的に上昇するgalactosyltransferase (GalT) associated with tumor (GAT)は、GATだけを捕捉するモノクローナル抗体(MAb)8513ならびにGATと健常人由来のGalTを共に認識するMAb 8628によるdouble-determinant EIAによって測定可能である。そこで、癌細胞におけるGATの特異的な放出機序解明のために、これらのMabを用いて卵巣癌株などの培養細胞におけるGalTの発現と上清中のGAT及び総GalT量を検索するとともに、卵巣癌患者血清を用いて腫瘍の摘出に伴うGATと総GalT量の変化を対比した。その結果、培養細胞ではGalT mRNAの発現と培養上清中のGAT及び総GalT量は相関したが、患者血清を用いた検討では腫瘍摘出に伴いGATは速やかに低下した一方、総GalTの変化は様々であった。したがって、GATは主として癌細胞より放出されるのに対して、生体内では種々の組織由来のGalTが血清総GalT量を修飾していることが示唆された。
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