研究課題/領域番号 |
06454484
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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研究分担者 |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 人工内耳 / 光学的脳活動計測法 / 神経生理学的研究 / 蝸牛電気刺激 |
研究概要 |
人工内耳の臨床的研究は国内外で30年以上に渡って行われてきた。人工内耳患者の音声認識を向上させるために払われた努力に比べて、その結果は未だ充分とはいえない。人工内耳での音声認識の効率を改善するためには、基礎的な神経生理学的研究を行い、内耳刺激の最適条件を知ることが必要である。われわれは電位感受性蛍光色素(RH795)を用いた光学的二次元計測法により、内耳を音あるいは電気で刺激したときの、モルモットの皮質聴覚領の神経活動を時空間パターンとして観察した。蝸牛の第1及び第2回転の前庭階と鼓室階に電極を挿入して双極電極として用い、200μsの幅の電気的パルスによる刺激を行い、それに対する応答と、その部位に対応する周波数の音刺激に対する応答とを比較した。これらの刺激で誘発される皮質からの蛍光の強さの変化は12×12チャンネルのフォトダイオード・アレイを光センサーとして用いて記録した。光信号の振幅はカラーコード化して、0.57ms毎に時間的に連続する二次元の画像として表示した。 電気刺激に対する応答波形は音刺激の場合と同様に、速い成分と遅い成分から成っている。その波形と振幅は刺激の強さに依存する。音刺激の場合は、音圧レベルが高ければ高いほど鋭く大きくなる。しかし電気刺激の場合は、刺激強度を上げてゆくと、早く飽和し、逆に減少するようになる。つまり電気刺激の場合、応答のダイナミック・レンジは極めて狭い。つまり、聴神経への直接刺激により、情報の圧縮が起こっている。その圧縮比は対数スケールで約2.5であった。潜時も刺激強度の変化に対してほぼ一定であった。さらに、これらの二つの異なる刺激モードに対する応答を時空間パターンとして比較すると、本研究で用いたような刺激方法で蝸牛を電気刺激すれば、その応答パターンは聴覚皮質での周波数局在を音刺激の場合と同様に再現できることがわかった。
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