研究課題/領域番号 |
06454533
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渕端 孟 (淵端 孟) 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028728)
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研究分担者 |
実光 章年 大阪大学, 歯学部, 助手 (50263299)
古川 惣平 大阪大学, 歯学部, 講師 (80173524)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 成長板軟骨 / 放射線照射 |
研究概要 |
成長期の個体が高線量のX線に被曝すると骨の長軸方向の成長が抑制されることは以前より報告されているものの、そのメカニズムは不明である。そこで本研究では、骨の伸長に重要な働きを担っている成長板軟骨に対するX線照射の作用を検討するためにウサギ成長板軟骨細胞培養系を用いて、成長板軟骨細胞の分化機能発現に及ぼすX線照射の影響を検討した。 1、成長板軟骨細胞の増殖期終了時に1から10GyのX線を照射すると、照射直後より線量依存性にプロテオグリカン(PG)合成能の低下および分解の促進が認められるとともに細胞層のPG量そのものも減少した。さらに10Gyの照射はII型コラーゲンには影響しないがX型コラーゲンの産生をほぼ完全に抑制し、ALPase産生は非照射群の約40%に低下した。カルシウム沈着量は非照射群に対して10Gy照射群は約40%あった。2、成熟軟骨細胞への10Gy照射は、細胞のPG合成には影響しなかった。しかし、PGの分解は促進し、結果として細胞層のPG量は低下した。X型コラーゲンの産生は影響を受けなかったが、ALPase活性、カルシウム沈着量は低下した。3、肥大化軟骨細胞に対して1から10GyのX線照射は、PG、X型コラーゲン、ALPaseの産生には影響を与えなかった。しかし、[^<45>Ca]の取り込みは有意に低下し、石灰化物の沈着量も低下した。4、成長板軟骨細胞の様々な分化機能発現に対するX線感受性は、細胞の分化段階が進むに従って低下した。 本研究によって、X線照射が成長板軟骨細胞の基質合成、最終分化、および石灰化を抑制することが判明した。X線照射が成長板軟骨細胞の増殖を抑制することは既に報告されており、今回の研究結果と合わせると、X線照射は成長板軟骨細胞のほとんどのすべての分化機能発現を直接障害しうることが明かになった。
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