研究概要 |
切削に用いられた各サニドで比較すると,アルミナ粒子は健全エナメル質・象牙質共に削除され,ウ蝕象牙質のみの選択的削除には不適であることが判明した。次いでガラスビーズはウ蝕象牙質中にビーズが埋入され,これも不適であることが判明した。ガラス削片はウ蝕象牙質の削除には有効であったが,健全エナメル質の削除能力は低いものの,健全象牙質の削除能力が大きく,これも不適であることが判明した。ポリカーボネート樹脂削片は,健全エナメル質・象牙質の削除能力は殆んどなく,ウ蝕象牙質のみ選択的除去を可能にし,有効なサンドであることが判明した。抜去歯を用いた実験では,従来の電気エンジンを用いた方法,比べ,遙かに短時間の内に罹患象牙質除去が効果的に行ることが明らかとなった。以上よりほぼ基礎的検討は終了したため,実際の臨床的検討や,使用した削片の回収除去,装置の考案や,消毒滅菌の問題などの最終的なつめの作業に入っている。
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