| 研究概要 |
局所麻酔薬の作用部位がNaイオンチャネルであることに異論はないが、Naイオンチャネルをどのようにして閉鎖するのかは分かっていない。本研究では局所麻酔薬分子中のN-エチル部分の窒素原子が陽性荷電をもち,細胞膜外側のリン酸エステル部分の酸素原子と静電結合することが確められた。すなわち、局所麻酔薬は直接Naイオンチャネルを閉鎖するのではなく,チャネル周囲のリン脂質膜と静電結合することにより、Naイオンチャネルタンパクの(omtormationを変化させ,Naイオンの通過を阻害して局所麻酔作用を発現する可能性が高いことを示唆した。(kokubu.M etal,1994)。また、局所麻酔薬としての強さ(potency, toxity)とリン脂質膜との結合力とが相関することも報告した(Journal of Anesthesia, in press)さらに全身麻酔薬である吸入麻酔薬と膜との結合力を調べ,麻酔薬としての強さ(MAC)と膜との結合力が相関することも報告した(日歯麻誌,1996)。
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