研究課題/領域番号 |
06454581
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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研究分担者 |
野田 隆夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10251539)
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50192729)
石田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80211043)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1994年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 各種咬合状態 / 食塊 / 有限要素法非線形動解析 / 咀嚼運動パターン |
研究概要 |
咬合の動態を追求することは、歯科医学の最重要課題であり、これに対して研究代表者らは、近年の科学研究費の助成により一連の検討を加えてきた。特に、本年度は、各種咬合状態における食塊の破壊、粉砕、混合の様相を捉えんとする研究目的に対して、画期的な成果を挙げることができた。すなわち、まず、「咬合終末期における食塊の動態シミュレーションの試み-有限要素法非線形動解析を用いて-」(第53回日本矯正歯科学会発表)において、咀嚼運動の進行に伴い、上下歯間に介在する食塊が、破壊、粉砕される様相をシミュレートすることができた。シミュレーションにあたり、咬合素材としての歯の形状や、咀嚼運動パターンのデータを、実際の不正咬合患者や正常咬合者から採得して用いたこと、また、食塊の性状として粘弾性体を取り上げ、当該分野において初めて、時間軸を伴った有限要素法非線形動解析を適用したことは、特に刮目に値する実績といえる。これにより、今後、各種咬合状態と食塊の性状さらに咀嚼運動パターンとの相互関連性を明らかにできる、との確信を得るに至った。つぎに、「咬合衝撃力の伝播」(第53回日本矯正歯科学会発表)において、各種咬合状態の、咬合接触に伴う歯の変位や歯周組織への応力伝達様相を、上述の有限要素法非線形動解析により、シミュレートした。これにより、各種咬合状態と歯周組織の機能状態との関連性をも、捉える糸口を得た。これは、矯正学のみならず歯学全般の見地からも、興味深い実績として評価されよう。これらの実績をふまえ、研究代表者、相馬邦道は第59回口腔病学会において「不正咬合者における食塊破壊の過程」と題して講演し、咀嚼機能の解明に対して本研究がさらに詳細かつ総合的なものへと発展するものと評価された。現在、本研究実績の内容を各誌に投稿中、あるいは投稿準備中である。
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