研究概要 |
一過性骨髄異常増殖症(TAM)の原因遺伝子の位置的単離のため以下の研究を行った。 1.逆位切断点を含むYACのFISH解析:SISマーカー(G51E07,GA2G07)領域をカバーする5個のCEPH-YAC由来のコスミドサブクローンを用い患者の逆位染色体におけるFISH解析を行なった結果,YAC-330H1とYAC-73F6が切断点に近接し,切断点はG51E07とD21S215の間に存在することが判明した。 2.逆位領域のコスミドコンティグ作製:73F6と330H1 YAC由来コミスドクローンをサザン解析およびEcoRI指紋解析し、I〜IVのクラスターにグループ化した。クラスターIとIIの間のギャップを埋めるため、コスミドアッセンブリー,コスミドポケット,21番染色体特異的コスミドライブラリーなどから単離したクローンを用いて,G51E07〜D21S215間のコスミドコンティグ(約150kb)を構築した。各コスミドのFISH解析およびサザン解析で患者逆位の近位切断点に一致するクローン(Q62E11)を単離した。患者の切断点(21q11.1)は21q22.1領域との相同性が従来同定されているホモロジー重複領域に近接していた。 今回単離したクローンは,切断点に一致または近接するTAM遺伝子転写物の探索に有用であり、コスミドのサブクローニングおよびエクソントラッピングで転写物を単離する予定である。
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