研究課題/領域番号 |
06454610
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松田 一郎 熊本大学, 医学部, 教授 (10000986)
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研究分担者 |
斎藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
犬童 康弘 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40244131)
遠藤 文夫 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00176801)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 尿素サイクル異常症 / オルニチントランスカルバミラーゼ / アデノウイルスベクター / OTC欠損症 / CAGプロモーター / spf^<ash>マウス |
研究概要 |
オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症は尿素サイクル異常の中でも最も発症頻度が高く、重症な疾患で、死亡率も高い。そこで遺伝子治療の対象疾患の1つになっている。アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療はこの目的にかなうが、アデノウイルスのウイルス毒性が問題になる。この場合、効果的なプロモーターを開発すれば投与するウイルス量も減らせるので、それだけ有利である。我々は、実用的なアデノウイルスベクターの開発を目指して2つの型のベクター、AdexCAGhOTC,AdexSRαhOTCの2つを作成した。前者は、アデノウイルスのE1A,E1B領域に、CAGプロモーター(5'側転写領域にニワトリβアクチンプロモーターとサイトメガロウイルスIEエンハンサー3'側にウサギグロビン遺伝子の3'フランキング配列)とヒトOTCcDNAを組み込んだベクター、後者は5Rαプロモーター(5'側転写領域にSV40 early promoterのRセグメント、HTLV-1LTRのU5セグメント、3'側にSV40のポリA配列)とヒトOTCcDNAを組み込んだベクターである。 双方のベクターを8週のspf-ashマウス(adult)の尾静脈から注入し、その効果を確かめた。AdexCAGhOTC(1.0×10^9pfu/animal)を投与した時のみ、肝のOTC活性値かせ正常化した。AdexSRαhOTCでは同様の結果は得られなかった。 肝OTC発現量をウエスタンブロットで測定し、また尿中オロト酸排泄量を測定し、AdexCAGhOTCの治療効果を観察した。その結果静注後60日間効果が持続することが確認された。この時の肝の組織像はほぼ正常であった。ヒトのOTC欠損症女性患者(OTC活性6.1%,Arg237Xのheterozyrote)由来のprimary human hepatocytesを用い、AdexCAGhOTCの感染実験を行った。10MOIの感染でほぼ正常の活性が、さらに20〜100MOIでは正常の〜40倍の活性値が得られた。このようにCAGプロモーターを用いたアデノウイルスベクターはOTC欠損症の遺伝子治療でかなり有望と推定できた。
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