研究課題/領域番号 |
06454619
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東京大学 (1995-1996) 杏林大学 (1994) |
研究代表者 |
中原 一彦 東京大学, 医学部・付属病院, 教授 (70101095)
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研究分担者 |
米山 彰子 東京大学, 医学部・付属病院, 講師 (50175684)
松崎 潤 杏林大学, 医学部, 助手 (80241008)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | フローサイトメトリー / リンパ球表面抗原 / 新指標 / 抗原定量化 / クローサイトメトリー / 細胞内pH / 細胞周期 |
研究概要 |
本研究の目的は、フローサイトメトリー(FCM)を、より有効に利用するための方策を見つけることである。従来FCMが最も利用されているのは、細胞表面抗原の分析であるが、陽性細胞の相対的比率の算定にとどまり、抗原の定量的解析は殆どなされていない。今回、我々は細胞表面抗原定量化の試みとして、より詳細な解析のための新指標を考案した。 蛍光染色した細胞をFCMのscattergram上で、目的細胞集団がほぼ同数になるように、forward scatter(FSC)により5分割し、各分画毎にFSCおよびfluorescence intensity(FI)の平均値を算出する。次いでFSC値をx軸、FIをy軸にとり、その回帰直線の傾きを新指標とし、FF係数と名付けた。FF係数が一定であるということは、細胞の大きさの変化に伴って細胞の蛍光強度が一定の割合で変化することを表わし、細胞表面抗原の単位面積あたりの抗原量が一定であることを意味する。この方策を使って以下のことを検討した。 1.CD4陽性Tリンパ球上のCD4分子は、FSCとFI間にほぼ直線的な正の相関がみられ、FF係数は健常成人男性で0.40【+-】0.04、女子で0.36【+-】0.04と変動係数も小さく、男女間で有意差が認められた。 2.ConAによってリンパ球を刺激すると、Tリンパ球上のIL-2Rα抗原のFF係数は1.60【+-】0.40(対照0.06【+-】0.16)と著明に増加した。一方、CD4抗原のFF係数は0.19【+-】0.02(対照は0.20【+-】0.05)とほぼ一定であった。 3.memory細胞(CD45RO強陽性・CD45RA陰性)上のCD4抗原のFF係数は、naive細胞(CD45RA強陽性・CD45RO陰性)上のそれと比較して大きい。CD8抗原のFF係数もほぼ同様な動きを示した。 以上のことから、我々の提唱する新指標(FF係数)は、細胞表面抗原の定量化を通して、より詳細な病態の解析に役立つものと思われる。
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