研究課題/領域番号 |
06454639
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
石崎 寛治 愛知県がんセンター, 放射線部, 部長 (70111987)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | p53遺伝子 / チェックポイント / DNA修復 / SCE / supF遺伝子 / 突然変異 / ホット スポット / タンデムトランジション / チェクポイント / 紫外線感受性 / X線感受性 |
研究概要 |
p53遺伝子をノックアウトされたマウスの胎児由来細胞を用いてそのDNA修復、突然変異誘発を解析した。紫外線照射後の細胞の生存率はp53欠損、正常の細胞間で有意な差は見られなかった。また、紫外線によるDNA損傷の修復も両細胞間で差は見られなかった。一方、紫外線照射後のS期細胞の割合は正常細胞では大きく減少し、G1-S停止が見られるのに対し、p53欠損細胞ではG1からS期への移行は停止しなかった。さらに、紫外線誘発姉妹染色分体交換の頻度もp53欠損細胞では有意に高く、損傷を持ったDNAがそのまま複製されていることを示唆している。紫外線誘発による細胞の遺伝子変化について知るためにマイクロサテライト配列の変化を多数の単一細胞クローンを分離して解析したが、紫外線非照射、照射のともにp53欠損、正常細胞間に差は見られなかった。次に、supF遺伝子を持つシャトルベクターを紫外線照射後に細胞に導入しシャトルベクター上の遺伝子変異を解析した。ベクタープラスミッドの生存率やsupF遺伝子の変異率にはp53欠損、正常(実験の都合上へテロ細胞をp53機能を持つ細胞とした)細胞間で差が見られなかった。変異のDNA塩基配列解析を行った結果、塩基置換のスペクトルには著しい差はなかったが、supF遺伝子上の塩基置換の分布に、p53欠損、正常細胞間で差が見られた。すなわち、変異のホットスポットの分布が異なることと、正常細胞ではCCからTTへのタンデム変異が多く見られた位置でp53欠損細胞ではCからTへの単一変異が見られた点が最も大きな違いである。p53蛋白はDNA複製系や単鎖、ミスマッチDNAとも結合することが報告されており、p53欠損、正常細胞間で損傷バイパスDNA複製に差が有るのかも知れない。
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