研究課題/領域番号 |
06454640
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
渡邉 正己 長崎大学, 薬学部, 教授 (20111768)
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研究分担者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 薬学部, 助手 (00196809)
児玉 靖司 長崎大学, 薬学部, 助教授 (00195744)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 低線量放射線照射 / ヒト胎児由来細胞 / 試験管内寿命 / 染色体構造異常 / 異数性 / 放射線応答現象 / 遺伝的不安定性 |
研究概要 |
ヒト胎児由来細胞にX線を一日10時間あたり1cGyの低線量率で反復照射を細胞の生涯を通じて行うと、細胞の試験管内寿命(最大細胞集団分裂数)は、40-60%増加したが、いずれの細胞も無限増殖能を獲得するには至らなかった。しかし、結果は平成6年度におこなった1週間に1度、7.5cGyのγ線を反復照射した際と同様に染色体数に異常が起こり、高頻度に異数性(aneuploid)細胞が出現した。通常、ヒト細胞における染色体数は、極めて厳密に維持され、構造異常を高頻度に生ずる線量の放射線照射によって異数性が誘導されるとする報告は殆どないという事実を考慮すると、本研究で観察された現象は、低線量放射照射に特異的な現象である。X線照射後、その細胞集団を培養経時的に細胞におけるコロニー形成能と染色体異常出現頻度を調べたところ、照射後1カ月以上経て、細胞が既に20数回分裂した後であっても、非照射細胞に比べコロニー形成率は50%以上近く、染色体異常は5-20倍高いことがわかった。これらの結果は、いずれも、低線量放射線に対する細胞の応答現象として遺伝的不安定性が誘導される可能性を示唆している。さらに、低線量放射線照射を受けた細胞膜の解析から、この遺伝的不安定性は、細胞膜の異常として細胞に記憶されている可能性が示唆された。
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