研究課題/領域番号 |
06454644
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
斉藤 佑尚 (斉藤 祐尚 / 斎藤 佑尚) 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30134810)
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研究分担者 |
高木 淳一 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90212000)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | プロポリペプチド / フォンビルブランド因子 / 細胞接着 / インテグリン / メラノーマ / VLA-4 / フォンビルブラント因子 / α4β1 / プロペプチド |
研究概要 |
mRNAから翻訳されてできるポリペプチドの全体が、必ずしも最終的に生理作用を有するタンパク質になるのではない。例えば分泌性タンパク質や膜内在性タンパク質においてシグナル配列と呼ばれる疎水性アミノ酸残基に富む配列がしばしばN末端に見られる。それ以外にプロ配列と呼ばれるものがある。これはシグナル配列以外のもので、最終的に生理作用を有するタンパク質中には認められず切断されてしまう部分がただ漠然とそう呼ばれている場合が多い。私たちはフォンビルブラント因子のプロプペプチド(pp-vWF)に関して以前研究を行い、本物質とコラーゲンとの相互を分子レベルで明らかにした。私たちは今回さらにこの研究を進展させ、本物質が細胞外マトリックスに取り込まれ、細胞接着活性を有することを発見した。そこで本物質の接着ドメインを単クロン抗体法、タンパク質分解法により検討したところ、分子のほぼ中央部に位置する約8KDaの部分に存在することが判明した。そこで遺伝子工学的手法によりこのことを確認した。さらに各種ペプチドを合成し、Asp395〜Gln409の15アミノ酸残基に相当する部位に細胞接着活性が局在することを突き止めた。そこでこのペプチドを利用したアフィニティークロマトグラフィーを行い、細胞側の受容体がインテグリンのα4β1、すなわちVLA-4であることを発見した。この点をさらに本インテグリンのcDNAをCHO細胞に発現させ確認した。すなわちpp-vWFはフィブロネクチン、VCAM-1に次いでVLA-4に対する第三のリガンドとなる。メラノーマだけではなく、リンパ球などの血球系の細胞もVLA-4インテグリンを有していることが知られているが、予想どうりリンパ球の細胞接着が観察された。以上をまとめるとpp-vWFはメラノーマの転移に関与するのみならず、リンパ球の炎症部位への接着などにも関与する可能性がある。
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