研究課題/領域番号 |
06454651
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 講師 (80142751)
仁科 博史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212122)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1995年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | NAD / 環状ADPリボース / NAD代謝酵素 / ADPリボース環化酵素 / ヒトリンパ球表面抗原CD38 / カルシウムイオン / 情報伝達 |
研究概要 |
我々は先に、レチノイン酸(RA)によるHL-60細胞の好中球への分化過程にNAD^+分解酵素が誘導され、その酵素がヒトリンパ球表面抗原のCD38分子によることを明らかにした。CD38はアメフラシの卵精巣より単離されたADPリボース環化酵素と構造上類似し、さらに代謝産物である環状ADPリボースは、IP_3と同様にある細胞内プールからCa^<2+>を放出させる作用をもつことから、この新規環状ヌクレオチドは細胞内で新たなシグナル分子として機能することが期待された。本研究では、細胞内外でNAD^+を基質とする代謝酵素が情報伝達系において果たす生理的役割、また哺乳動物における環状ADPリボースの産生機構、並びにNAD^+分解酵素とADPリボース環化酵素との触媒活性の差異を生じさせる機構の解明を目的とし、以下の知見を得た。1.CD38には、ヒアルロン酸結合活性が存在した。2.RA-分化HL-60細胞を抗CD38単クローン性抗体で刺激すると、いくつかの細胞内蛋白質がチロシンリン酸化され、その一つを120kDaのc-cb1遺伝子産物と同定した。3.この抗CD38単クローン性抗体刺激によって、化学遊走因子の受容体を介するHL-60細胞の活性酸素産生が増強された。4.CD38とアメフラシの酵素は種々の点で異なる特性を示したが、Zn^<2+>がCD38に作用すると、そのNAD^+分解活性が抑制され、ADPリボース環化活性は逆に促進された。すなわち、Zn^<2+>によるCD38の酵素特性の転換が認められた。5.CD38遺伝子の第1イントロン内には、RAによってその抑制が解除されるnegative regulatory element(NRE)が存在し、RA(受容体)を介する新しい転写調節機構の存在が推定された。
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