研究課題/領域番号 |
06454657
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊東 信 九州大学, 農学部, 助教授 (40253512)
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研究分担者 |
東 秀好 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | ガングリオシド / エンドリュセラミダーゼ / 糖脂質 / カルモジュリン / セラミド / 神経細胞 / CaM II / カルシュニリン / エンドグリコセラミダーゼ / CaM KII / 棟脂質 / 棟鎖生物学 / EGF受容体 |
研究概要 |
スフィンゴ糖脂質(以下糖脂質)は動物細胞表面の脂質二重層の外層に局在し、細胞の文化や癌化に伴って量的・質的に大きく変動する。しかし、その変動の分子機構および生理的意義については必ずしも明らかではない。エンドグリコセラミダーゼ(EGCase)は糖脂質に特異的に作用し、そい糖鎖をセラミド部分から切り離す酵素である。EGCaseはその特異的な活性化タンパク質(アクチベータ-)を併用することにより、界面活性剤を含まない生理的な条件下で生細胞から糖脂質糖鎖だけを選択的に切り離すことができる。EGCaseによってB16メラノーマ細胞表面糖脂質を分解後、酵素を除くと合成系と連動した修復機構が働いて短時間のうちに厳密に元の糖脂質量に復帰した。この現象は、ある条件下で細胞はその表面に必要とする適正な糖脂質分子数を知ってでもいるかのように思わせる。本研究で、この修復機構にはUDP-グルコース:セラミド グルコシルトランスフェラーゼ(GlcTase)の活性化が内包されていることが明らかになった。しかも、GlcTaseの活性化は細胞表面糖脂質の減少にリンクした一過性のものである。EGCase処理した場合、糖鎖を失うのと同時に遊離セラミドが増加する。ところが、細胞は巧みな方法でEGCase処理後も細胞内の総遊離セラミド量を調節・維持しているという当初は全く予期しなかった結果が得られた.また、EGCase処理によって、細胞と細胞外マトリックスの反応性は大きく損傷を受けた。しかしEGCaseを反応系から除くと細胞表面への糖脂質の回復に時間的・空間的に連動して細胞外マトリックスとの反応性も回復した。一方、ガングリオシドがカルモジュリンやカルモジュリン依存性の酵素に結合してその活性を調節することを見い出した。外から加えられたガングリオシドは細胞内に取り込まれカルモジュリンやカルモジュリン依存性酵素と特異的に反応することにより細胞内情報伝達系を調節することを明らかにした。
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