研究課題/領域番号 |
06454685
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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研究分担者 |
千葉 和義 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70222130)
松本 緑 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 自家不和合性 / 精子・卵黄膜結合 / 接触崩壊 / 血球 / 糖タンパク質 / ホヤ / α-L-フコシダーゼ / メタロエンドプロテアーゼ / アロ認識 / 精子結合 / キメラ胚 / フェノールオキシダーゼ |
研究概要 |
ホヤ類はその系統発生学上の位置から、脊椎動物で特に発達している構造や機能の祖先型というべきものを持っているのではないかと期待されることが多い。「免疫」は脊椎動物とくに哺乳類で高度の発達を遂げた代表的な生物現象であるが、免疫現象の大事な側面である。同種内における自己性の確立、すなわちアロ認識機構の発達は、胎生機構の発達とも深く関わっていると考えられている。もとより、胎生に限らず有性生殖それ自体がアロ認識機構を内包するものであり、有性生殖と「免疫」とは、本質的に共通の基盤のうえに成り立つ生物現象とも言える。ホヤ類は雌雄同体であり、自家不和合性の種が少なくない。マボヤはその代表的な例であるが、配偶子におけるアロ認識機構を解析し、体細胞におけるそれと直接比較することが可能である。 このような背景の下に、本研究では主にマボヤを用いて、配偶子に見られるアロ認識現象として受精における厳格な自家不和合性(self-sterility)を、体細胞におけるアロ認識現象として血球の接触崩壊反応(contact reaction)をとりあげ、両者に共通する認識分子や分子機構が存在するのではないかという仮定の下に、それぞれの解析を行なったものである。また、マボヤに比べれば自家不和合性の厳格さにおいて劣り、血球におけるアロ認識もはっきりしないものの、コスモポリタンであり生殖シ-ズンが長いうえに、純系確立の可能性が高いカタユウレイボヤにおける自家不和合性の解析も試みた。 本研究によって、マボヤの接触崩壊反応に直接関わる細胞が明かになるとともに、厳格な自家不和合性を打破して自家受精を可能にさせる新しい方法を開発した。本研究の目標である、配偶子におけるアロ認識と体細胞におけるそれを結び付けることも、極めて不完全かつ部分的ながら成功することができ、今後の研究に道を拓いたものと考えている。
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