研究課題/領域番号 |
06454712
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
澁木 克栄 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40146163)
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研究分担者 |
工藤 雅治 新潟大学, 脳研究所, 講師 (80153310)
酒井 雅史 新潟大学, 脳研究所, 助手 (30251846)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 一酸化炭素 / 長期抑圧 / プルキン工細胞 / 登上線維 / 平行線維 / 一酸化窒素 / 大脳聴覚野 / 長期増強 |
研究概要 |
我々はいままで小脳LTDにおいてNOが促進的に作用することを見いだした。しかし海馬LTPではNOだけではなくCOも促進的に作用するとされている。CO合成酵素は小脳プルキンエ細胞において高濃度で存在することが知られているので小脳LTDにおいてもCOが関与している可能性がある。小脳LTDに対するCO合成酵素阻害剤(プロトポルフィリンの亜鉛錯体)の効果をみたところLTDは阻害されず、むしろ促進される傾向があった。外来性のCOを投与しつつLTDを起こすと40nMの濃度でむしろ抑制された。以上から小脳においてはCOはNOとは異なり、むしろ抑制的に作用するという可能性がある。 COが刺激に応じて分泌される情報伝達物質として作用するのかそれとも一定量代謝回転によって生成されるCOがたまたま生理活性を持つのかということを知るためにはCOが刺激によって放出されるか否かを検討しなければならない。我々は既にNOの電気化学的プローブを開発しているが、これは酸化されやすいガス状の物質であればこれをNOと同様に捉えることが期待される。従ってNO電極に対するCOの感受性を解析したところCOに対して幾分のクロストークを示した。薬理学的な実験から推定されるCOの放出レベルは10nM以上なので、現在これに相当するCOの放出が起きるか否かを検討中である。 NOやCOの作用は従来小脳や海馬のシナプス可塑性において検討されているが、大脳皮質では比較的データが少ない。我々は既に大脳聴覚野において長期増強が起きることを示したがさらにこの解析を進め、浅層錘体細胞出力の増加が長期増強に対応して起きていることが判明した。現在この現象についてのNO、COの機能を探るべく準備中である。
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