研究課題/領域番号 |
06454713
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大森 治紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (30126015)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 有毛細胞 / 小脳 / 顆粒細胞 / プルキーニェ細胞 / グルタミン酸 / NMDA / 小脳顆粒細胞 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
内耳有毛細胞の放出する神経伝達物質を決定する実験を行い、グルタミン酸を求心性のシナプスにおいて有毛細胞の放出する神経伝達物質であると結論した。実験は有毛細胞および小脳から培養した顆粒細胞を近接させ、共にパッチ電極を用いて膜電位固定し、有毛細胞膜に与えた脱分極パルスに応じて流れる顆粒細胞膜の電流を解析した。顆粒細胞には正の膜電位で外向き電流が流れ、細胞外液に加えたDL-APV(200μA)で可逆的に阻害された。従って、有毛細胞膜の脱分極に伴い放出された神経伝達物質は、顆粒細胞体上のNMDA型グルタミン酸受容体を活性化し外向き電流が生じたものと考える。一方、同様の実験を行いながらプルキーニェ細胞では電流を生ずることができなかった。プルキーニェ細胞には非-NMDA型のグルタミン酸受容体が発現し、顆粒細胞にはNMDA型受容体が発現している。興奮性アミノ酸の持つNMDA及び非NMDA受容体活性化作用を詳細に検討した結果、有毛細胞の放出する神経伝達物質はグルタミン酸がもっとも高い可能性を持つと結論した。また、グルタミン酸の放出部位での濃度を拡散方程式から計算し1.7×10^S個のグルタミン酸分子が0.5秒間の膜脱分極の間に放出されることを推定した。これはおよそ850個のシナプス小胞が動員されることを示唆する。さらに、ヒヨコの有毛細胞には活性帯が4ないし6個ほど存在するので、一個の活性帯当たり2nsec程度の時間間隔を持ってシナプス小胞は放出されているものと考えられる。
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