研究課題/領域番号 |
06455013
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
渡部 眞三 (渡辺 眞三) 愛知県コロニー発達障害研究所, 主任研究員 (10093486)
井上 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (60263282)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 神経移植 / 視神経 / 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / 光情報伝達 / ネコ / 光情報伝送 |
研究概要 |
麻酔下で成ネコの視神経を球後で完全に切断し、その切断端に自家坐骨神経の移植手術を行った。その後生存し軸索再生する網膜神経節細胞の光情報伝達機能を電気生理学的に検討し、以下の研究成果が得られた。(1)手術後約60日の動物を再び麻酔・非動化し、手術用顕微鏡下で移植片を細く裂いた細線維束から銀線電極を用いて、再生軸索の単一ユニット活動を記録し、それらの受容野特性を調べた。ほとんどの細胞が受容野中心のスポット光刺激に対して、一過性または持続性などの正常に近い反応性をもち、各細胞型への分類が可能であった。286個の内、142個はY細胞、113個がX細胞、19個がW細胞で残り12個分類不能であった。各細胞のON中心型/OFF中心型を調べると、X細胞ではすべてがON中心型であり、OFF中心型X細胞の軸索が再生していない可能性が示唆された。受容野中心の直径の大きさは網膜中心部のX細胞で拡大しているのを除けば、正常網膜での各細胞型とほぼ同じであった。(2)坐骨神経移植ネコでの網膜神経節細胞全体の機能評価をするために、パターン反転網膜電図の記録をおこなった。実験には視神経切断ネコと、視神経切断と同時に坐骨神経移植を行ったネコを用意し、手術後2-8週間にわたり経時的に網膜電図を記録し、各々の時間周波数、空間周波数での振幅の変化を調べた。その結果、視神経切断ネコにくらべ移植ネコではパターン反転刺激で賦活される電位の振幅の減弱の経過が緩徐であった。この結果は、以前われわれが得た、網膜神経節細胞(特にベータ細胞)の逆行性変性が移植によって救済されるという形態学的研究の結果を支持するものである。この網膜機能評価法は坐骨神経移植ネコのみならず視神経障害ネコ一般、さらには臨床的にも網膜・視神経機能評価法として有用であると考えられた。
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