研究課題/領域番号 |
06455022
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
広川 勝いく 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00014093)
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研究分担者 |
根本 哲生 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70242203)
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10177834)
大橋 健一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40231203)
菅野 純 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90186172)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | 免疫 / 脳 / 情報伝達物質 / 胸腺 / T細胞 |
研究概要 |
1.脳と免疫系のクロストークとその加齢変化について、3つの動物モデルで検討した。 (1)拘束ストレスのマウス免疫系に及ぼす実験モデルでは、甚大な影響がT細胞系に見られたが、老化マウスではその影響からの回復が著明に遅れる事が分かった。 (2)異なる月齢のマウスを共生させるパラバイオーシスの実験では、行動の上で服従を余儀なくされたマウスの胸腺が萎縮し、それは自律神経による事が示唆された。 (3)ラットにおける視床下部前部破壊実験では、胸腺の肥大とそれとは逆の脾臓T細胞の機能低下が認められ、これらも視床下部からそれぞれの臓器に分布する自律神経によることが示唆された。 2.加齢と共に胸腺が肥大し、年をとっても免疫機能の低下しないバッファローラットの胸腺より、胸腺上皮細胞株を19株樹立した。その中にIL-1を産生するものがあり、それを用いて、神経伝達物質などのIL-1産生能に及ぼす効果を検討した。その結果、Methionine enkephalin、Vasopressin、LHRHなどにより、IL-1の産生が促進されることが分かった。IL-1は胸腺ないにおけるリンパ球増殖に関連するサイトカインであるので、脳から分泌されるこうした神経伝達物質が胸腺機能を調節している可能性が強く示唆された。 3.T細胞の増殖には抗原受容体(TCR)を通した刺激やIL-2などのサイトカインによる刺激が主なものである。しかし、T細胞でも脳細胞と同様な受容体型のチロシンキナーゼがあると考え、それを検討する目的でチロシンキナーゼを拾える様にデザインした変性プライマーを用い、RT-PCRを行った。その結果、fyn、lck、ZAP-70などの非受容体型のチロシンキナーゼと共に、IGF1-R、tyro-10、tie、bFGFRなどの受容体型チロシンキナーゼも存在することが分かった。興味あることは老化T細胞では非受容体型のチロシンキナーゼの発現が低下するのに対して、受容体型のチロシンキナーゼの発現は増加する事で、これらの発現の違いがT細胞の機能と関連する事が強く示唆された。
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