研究分担者 |
塚原 金二 (株)アイシンコスモス研究所, 研究員
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40199691)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
馬塲 雄造 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (50270731)
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配分額 *注記 |
33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
1996年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1995年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1994年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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研究概要 |
平成8年度には、以下の研究成果を得た。今後,研究発表を行ってゆく予定である。 (1)平成7年度までの研究成果で,最もガス交換効率のよいERVは、フロロカーボン注入時に気道圧をゼロとする量(機能的残液量と定義:FRCL)であったが、通常の落差による排液方法ではFRCLまで排液させるには長い排液時間をかけて排液させないと,気道に陰圧を生じ様々な合併症,ガス交換の低下を起こし得る。しかし,液体呼吸ではrecoil圧(肺での反発圧)が小さいため、排液には陰圧をかけることが必要である。そこで短時間でスムーズに排液させるため排液するに従い,落差を急激に小さくなるようにする排液デバイスを作成した。(2)このデバイスを用いて排液させると,FRCLレベルまでの排液において,従来見られたような気道の虚脱による閉塞所見はなく,非常にスムーズに短時間で排液できることが判明した。この排液方法による液体で,呼吸生理を検討した結果,従来の学説とは異なり,非常に小さい一回換液量でも良好に呼吸維持ができるというデータを得た。 (3)液体呼吸離脱直後および遠隔期のフロロカーボンの残存量と組織学的検討を行った。家兎で2時間の液体呼吸を行い,その慢性期における体内の諸臓器内のフロロカーボンの残存量および肺組織の病理学的検討を行った結果,6週間後にも微量ではあるがフロロカーボンが残存しているのが認めら,組織学的に肺組織において肺胞内面に残存するフロロカーボンにマクロファージ集積しているのが認められた。この現象により肺におけるガス交換が障害されうる可能性も考えられ,使用するフロロカーボンや離脱方法に関してさらなる検討が必要と思われた。
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