| 研究概要 |
コンピュータ制御による矯正治療用予測模型の試作を目的として,1.三次元形状計測装置の開発,2.予測模型のシミュレーションシステムの開発,3.三次元形状計測の臨床応用を行った.
1.三次元形状計測装置の開発
レーザー光を応用した工業デザインモデル計測装置を小型化し,口腔内石膏模型情報を高速,高精度に取得できる三次元形状計測装置を開発した.また,計測時の不可視領域を減少させるために,模型取り付け治具を改良し,レーザー光切断角度の異なる2種類の三次元点群データを入力,合成する方法を開発した.この結果,口唇口蓋裂症例のような上顎前歯部に極めて複雑な形状を有する模型についても高精度の入力が可能となった.
2.予測模型のシミュレーションシステムの開発
(1)システム開発:改良小型化された計測機を入力部として,画像処理装置,コントローラーのパーソナルコンピュータ,計測データから三次元画像生成と予測模型のシミュレーションを行うエンジニアリングワークステーションから構成されるシステムを開発した.
(2)予測模型のシミュレーション:予測模型生成の各工程でルール化出来る部分の自動設計用データベースを開発し,個々の歯の自動排列アルゴリズムを構築した.すなわち,歯冠形態を代表平面に置き換えて予測する歯列弓ライン上に自動排列することにより,三次元的歯の移動の自動化と高速化が可能となった.また,外科矯正治療に必要とされる歯列弓全体の三次元的移動も可能となった.
3.三次元形状計測の臨床応用
口唇口蓋裂患者の上顎歯列弓拡大前後の口蓋容積,表面積,口蓋形態の変化様相について裂型別に比較検討した.また,顎変形症患者の外科的矯正治療に伴う臼歯部の前頭面変化様相について臨床的評価を行った.
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