研究課題/領域番号 |
06554006
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
高崎 稔 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
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研究分担者 |
沼尻 正晴 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (20189385)
今里 純 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40107686)
野海 博久 (野海 博之) 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (10222192)
家入 正治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50192472)
田中 万博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90171743)
伊藤 靖彦 日立電線(株)土浦工場製管部, 部長
横井 哲夫 (株)トーキン, 金属磁性事業部, 部長
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1995年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1994年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 大強度ビームライン / ミネラル・インシュレーション・ケーブル / 耐放射線性 / 無機絶縁 / セラミック・シール / K中間子工場 / 大型ハドロン計画 / 消滅処理 / 電磁石 / 大強度ビーム輸送 / 大電流導体 / 無機絶縁ケーブル / 耐放射線 |
研究概要 |
本研究の目的は、大強度ビームラインに使用される電磁石の励磁コイル用線材として、完全に無機物のみによって電気絶縁され、かつ3000A以上の電流を取り扱えるミネラル・インシュレーション・ケーブル(MIC)を開発する事である。また開発されたMICを用いて実際の電磁石コイルを製作し、励磁試験を行う事を最終目標としている。平成6年度には(1)各種断面形状のMICのサンプル的試作、(2)曲げ試験等の実施と断面形状の確定、を実施し最終的断面形状を有するMIC一本の試作を行った。またこのMICの端末部を封止し、湿気の無機絶縁部への侵入を防止するセラミック・シールの開発、製造もおこなった。平成7年度では、平成6年度の研究で決定した断面形状を有する大電流用長尺MICを5本程度量産し、端末封止した後にコイルに成型し、最後に既存鉄芯と組み合わせた励磁試験を行う予定であった。しかし、(1)3000A級MICは非常に硬く、コイル加工時に不可欠な細かな曲げ加工が困難である事、(2)母材容積が引き抜き装置の取り扱える最大容量に近く、量産時の歩留まりが極端に悪くなると予想される事、が判明し、量産には一回りサイズを下げる必要があると判断した。そこで急遽2500A級MICに設計変更した。しかしこの変更はこれまでの経験を生かし比較的短期間で最適形状の決定に至り、直ちに量産に入った。最終的には量産品の中から二本を選びコイル整形し、励磁試験をおこなった。励磁試験はその後約1年間実施し、成功裏に終了した。この研究の最終結果は1997年の第15回国際電磁石技術会議で発表するとともに、米国電気学会誌に掲載が決定している。我々の研究の成功により、K中間子工場などの大強度ビームを取り扱う施設のビームライン建設が可能になった。特に我が国の原子核素粒子物理学分野の次期計画である大型ハドロン計画や、核燃料の消滅処理施設などの設計、建設が、はじめて現実的な技術的背景を有する事になった。これらは画期的な事である。
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