研究課題/領域番号 |
06554030
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 晧彦 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (70001865)
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研究分担者 |
大津 裕 資生堂, 基礎科学研究所, 主任研究員
谷口 昌宏 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (30250418)
高橋 正行 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (50241295)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | アルブミン / 粘土鉱物 / 光学分割 / HPLC |
研究概要 |
本研究では、粘土と容易に入手できる不斉生体物質であるアルブミンとの複合体を吸着剤に用いて液体カラムクロマトグラフィーを行い、有用な光学活性物質の分離・精製を行うことを目的とした。平成6年において、コロイド状粘土に対するアルブミンの吸着をpHを変えて調べた。その結果、粘土へのアルブミンの最大吸着量は2g/gにも達した。平成7年度においてはアルブミンが粘土に吸着するときの相互作用を明らかにするため、粘土・アルブミン複合体の構造をX線構造解析、固体NMRを測定した。また粘土薄膜にアルブミンを吸着させ原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。つぎに粘土・アルブミン複合体を用いて高速液体クロマトグラフィーを行い、有用な有機分子であるベンゾインの光学分割を実現した。最終段階として高速液体クロマトグラフィーの温度、pH,および再現性について検討して、分離の最適化を行った。購入した液体カラムクロマトグラムはこの研究において極めて有用であった。最後に、水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を用いて、粘土薄膜中へのBSAの吸着量を測定した。QCM法では、電極の質量変化を電極の共鳴振動数の変化によってもとめた。質量変化(Δm)と振動数変化(Δf)との関係から、アルブミンの吸着量を各pHで求めた。この結果は、コロイド状粘土への吸着を調べた結果とよく一致していた。以上本研究によって粘土・アルブミン複合体の光学分割カラムとしての有用性が示された。今後はこの結果をもとにこのカラムの実用化に取り組みたい。
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