研究課題/領域番号 |
06555002
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金光 義彦 筑波大学, 物理学系, 講師 (30185954)
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研究分担者 |
松本 貴裕 新日本製鉄(株)エレクトロニクス研究所, 研究員
三村 秀典 (株)エイ, ティ・アール光電波通信研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | シリコン / ナノ微結晶 / 量子サイズ効果 / ダイオード / 可視発光 / 発光ダイオード / ナノメートル微結晶 / ポーラスシリコン / 表面 |
研究概要 |
電気化学エッチングにより作製されたシリコン超微細構造であるポーラスシリコンの発光メカニズムを解明した。その基礎的な研究成果に基づいてナノメートル微結晶を用いた高効率の赤、緑、青色発光ダイオード素子を試作した。ナノメートル微結晶においては、構成原子数が少なくなることにより現れる「量子サイズ効果」と表面原子数が多くなることによる「表面効果」が絡み合って複雑な光学応答を示す。微結晶内部が関与した発光と微結晶表面が関与した発光とに実験的に分離し、高効率発光素子の設計指針を得た。特に、表面構造を正確に制御することにより、世界に先駆けて赤色から青色の発光を得ることに成功した。さらに、ポーラスシリコン/微結晶SiCヘテロpn接合ダイオードを試作し、発光効率を約10^<-3>%程度まで上昇させることができた。しかし、発光ダイオードとして実用化するためには約1%に発光効率を上げる必要がある。赤色以外の緑、青色の発光素子の開発の可能性も行ったが、その発光効率は非常に低かった。発光効率を向上させる目的で、溶液中で電荷注入層を作製することを検討した。Si微結晶・ポーラスシリコンを用いた高輝度・マルチカラーデバイスの実用化の可能性が高いことを実験的に示した。さらに、光非線形性材料としてポーラスシリコンが優れていることを発見した。ポーラスシリコンSiなどのSiナノメートル微結晶は、その大きさを変化せるだけで面白い現象が出現し、一つの物質から様々な特性を示すデバイスを作成できる可能性を持っていることを示した。発光素子分野で用いられている毒性の化合物半導体を無毒のSiで置き換えることができること等、半導体デバイスのみならず環境問題の上からも、Si発光素子の実現によるメリットは計り知れないものがある。我々は大学と産業界の組織だった研究チームとして基礎及び応用の両面から研究を推進した。
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