研究課題/領域番号 |
06555005
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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研究分担者 |
恩賀 伸二 東芝(株), ULSI研究所, 主任研究員
岩野 博隆 名古屋大学, 工学部, 助手 (50252268)
財満 鎭明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | SiGe膜成長 / 不純物ド-ピング技術 / バンドスプリット / 無歪基板形成技術 / 二段階成長法 / SiGe薄膜 / 低温成長 / 不純物ドープ / 東縛励起子発光 / 歪量子井戸構造 / 不純物濃度制御 / 磁気抵抗効果 |
研究概要 |
本研究では、Si1_<-X>Ge_X膜を用いた光学デバイスを実現するために、各基礎技術の確立に重点をおき研究を進めた。具体的にはSi1_<-X>Ge_X膜へのSb及びGa不純物ド-ピング技術、歪Si1_<-X>Ge_X膜のバンド構造を光学的・電気的特性評価、歪量を制御するための無歪基板形成技術ついて検討した。以下に結論を述べる。 1.x≦0.17のSi1_<-X>Ge_X膜中に高濃度にド-ピングしたSbは、格子歪の緩和を促進するが、Ge原子の表面偏析の抑制を強める。一方、Ge組成が1のとき歪緩和を抑制する。歪緩和を起こす臨界膜厚は、Sb原子による格子歪の増加およびGe原子の表面拡散抑制効果という相反する要因のうち、支配的となった要因で決定されることが分かった。 2.Gaをド-ピングしたSi1_<-X>Ge_X膜の正孔濃度は、同一のド-ピング条件にもかかわらず、Ge組成が0.15以下でGe組成に比例して増加する。本研究では考案したGa原子の吸着および偏析モデルから計算した吸着確率および取り込み確率は、Ge組成xの増加に伴って、それぞれSiに対して1+2x倍および1+40x倍となることが分かった。 3.本研究で製作したp型Si1_<-X>Ge_X/Si(100)膜のフォトルミネッセンスを13Kで測定し、束縛励起子による発光を確認した。また、バンドギャップはx=0.05で1.124eV、x=0.1で1.092eVであった。 4.p型Si1_<-X>Ge_X/Si(100)膜において、価電子帯の重い正孔帯端と軽い正孔帯端のスプリット幅△Eが導かれ、線形なGe組成依存性、温度依存性が示された。 二段階成長法により無歪Si1_<-X>Ge_X膜をSi(100)面上に形成した。本方法は、通常の成長法に比べ、結晶性、界面急峻性、Ge組成制御性、表面ラフネスの改善の点で優れていた。また、表面ラフネスを最小にする最適な第一層の膜厚が存在することが分かった。 以上の結果は、Si1_<-X>Ge_X/Si(100)ヘテロ構造を形成し光学素子を実現する上で、極めて有効な結果である。
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