研究分担者 |
佐藤 学 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50226007)
谷内 哲夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (80260446)
福田 承生 (福田 承正) 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30199236)
伊藤 弘昌 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20006274)
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配分額 *注記 |
18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1994年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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研究概要 |
強誘電体のドメイン方向を周期的に180°反転させた構造を有するドメイン超格子は,擬似位相整合により高効率な非線形光学デバイスを実現できる特長がある。本研究ではLiTaO_3ドメイン超格子にレーザ活性イオンであるNdをド-ピングすることにより,レーザ発振と同時に第二高調波発生(SHG)および電気光学変調等の複合機能を有する非線形光デバイスを実現することを目的として研究を行った。 1)Ndイオンが0.27wt%,0.60wt%ドープしたLiTaO_3結晶を育成し,まずそのレーザ特性を測定した結果,σ偏光におけるレーザ発振波長は1.092μm,しきい値は11mW,スロープ効率は16.8%であり、またπ偏光では各々1.082μm,8mW,11.7%と効率の良いレーザ発振特性が得られた。 2)ドメイン超格子作製は周期電界印加法により行い,厚み0.5mmのNd:LiTaO_3結晶の+Z面に形成したAlの周期電極を通じて電荷(ドメイン反転電圧は16.8KV/mm)を注入することにより行った。ドメイン反転領域にプリズム状の電極を付けることにより,Nd:LiTaO_3結晶の電気光学効果を利用したQスイッチ動作を行うために800Vのパルス電圧を印加した結果,パルス幅24.7ns,ピークパワー148Wのパルス出力が得られた。 3)長さ5.1mm(ドメイン反転領域の長さ4mm)のNd:LiTaO_3結晶を用いてレーザ発振特性および第二高調波発生特性を測定した。波長806nmの出力0.7Wの半導体レーザを励起光として用いた結果,波長541nm,パルス幅39ns,ピークパワー2.6WのSHG出力が得られた。 以上のように,本研究ではレーザ発振と非線形光学効果および電気光学効果の複合機能化した新規な光デバイスとして,レーザ活性イオンをドープしたLiTaO_3結晶を用いてSHGやQスイッチ動作を世界で初めて実現したものであり,ドメイン超格子作製技術を駆使することによりこれらの複合機能デバイスの実現が可能であることを実験的に確認したことは本研究の大きな成果と考えられる。
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