研究課題/領域番号 |
06555022
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 雅彦 大阪大学, 工学部, 助手 (60191889)
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研究分担者 |
野口 恒行 (株)エイコーエンジニアリング, 主任技術
木村 良秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Sputtering / depth profiling / AES / GaAs / AlAs / superlattice / O_2^+ / SIMS |
研究概要 |
超高真空を必要とする各種表面分析装置において、動作ガス圧が低いということから電子衝撃型イオン銃がよく用いられる。ところが、このイオン銃は電子源であるタングステン熱フィラメントが酸素雰囲気中で容易に焼き切れてしまうため、O_2^+ビームの発生には適していない。本研究ではこの欠点を解決して超高真空装置で使用可能なO_2^+イオン銃を開発することを目的とした。 まず最初に以前に開発した電子衝撃型イオン銃のタングステンフィラメントをレニウムフィラメントに交換し、基本的な動作特性の測定で行い、最適動作条件の決定を行った。その結果到達真空度4×10^<-10>Torrの超高真空オージェ電子分光装置において、動作真空度8×10^<-10>Torr,加速電圧1kVでO_2^+イオンビーム電流80nAを得,15時間以上の安定動作に成功した。 次にイオンスパッタ援用深さ方向分析の国際的な標準試料の有力な候補として提案されているGaAs/AlAs人工超格子試料に対して、上記O_2^+イオンビームを用いてオージェ電子分光による深さ方向分析を行った。おそらくこれは世界初の試みであると思われる。通常のAr^+イオンスパッタリングの場合と比べて以下の点で顕著な差異が生じた。 1)AlAs層よりもGaAs層の方がスパッタ速度が約43%ほど大きい。 2)GaAs→AlAs界面よりもAlAs→GaAs界面の方が深さ分解能が悪い。 3)As-LMMオージェ電子強度はAlAs層よりもGaAs層において大きい。 特に、3)はAr^+イオンスパッタリングの場合とまったく正反対の挙動である。以上のことと、従来のGaAs系での報告例を合わせて考えると、AlAs層においてAs原子O原子の置換が生じやすく、このためAl酸化物が形成されてスパッタ速度が遅くなり、また原子ミキシングが増大してAlAs→GaAs界面が荒れたものと思われる。
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