研究課題/領域番号 |
06555058
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒崎 晏夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016442)
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研究分担者 |
金井 俊孝 出光石油化学(株), 樹脂研究所, 室長(研究職)
山田 純 東京工業大学, 工学部, 助手 (40210455)
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10170721)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 高分子射出成形 / 伝熱制御 / 高品位化 / ふく射加熱 / 残留複屈折 / 充填不良 / 転写不良 / 吸収特性 / 射出成形 / 高分子材料 / 高品質か / ひけ / フローマーク / 固化層 / 粘着力 |
研究概要 |
伝熱制御による高分子射出成形加工の高品位化技術を確立するために、射出成形金型内の材料の冷却を外部から能動的に制御する方法として、金型内材料をふく射的に加熱して金型充填段階の初期における材料の冷却を抑止することを試み、それによる成形品品位の向上効果について実験的に検討した。その結果、以下のような知見が得られた。 (1) ふく射加熱による型内材料の温度上昇と品位改善:金型内材料を外部からふく射的に加熱すると、加熱面近傍の材料がふく射エネルギーを吸収して温度が上昇し、これが金型への非定常熱移動に打ち勝てば、材料の冷却が抑制される。この性質を利用すれば、射出成形品表面に発現する残留複屈折、転写不良、充填不良などを改善できることが明らかになった。このような性質は、成形材料の厚みが小さくなって金型への冷却効果が強くなると発現し難くなるが、ふく射加熱量を増加させると、相対的に冷却効果の弱い金型中央部での温度上昇が顕著となって、成形品内部の冷却抑止に功奏するようになる。 (2) ふく射加熱と材料物性の関係:ふく射加熱によって金型内材料の冷却を抑止し射出成形品の品位を改善しようとする場合には、高分子材料内のふく射の吸収特性が重要になる。高分子材料はふく射に対して半透明で、かつ急峻な吸収バンドを有するのが一般的であるため、これと加熱ふく射源の波長特性との兼ね合いで決まる加熱深さを数値的に検討した。その結果、(1)の実験条件(成形材料:ポリスチレン、ふく射源:炭酸ガスレーザ)に相当する吸収係数数1000〜10000(1/m)程度ではふく射加熱の影響は表層部の0.5〜1(mm)の範囲におよぶこと、成形品の厚さがこの範囲に近付くと中央部のみが加熱されることがわかった。このことから、ふく射加熱を利用した成形品品位の向上のためには、材料のふく射吸収特性と加熱ふく射源の波長特性との整合を図る必要があることが示唆された。
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