研究分担者 |
新井 敏夫 YKK 株式会社, 研究開発本部, 副主幹
義岡 秀晃 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助手 (80259845)
多田 幸生 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20179708)
滝本 昭 金沢大学, 工学部, 教授 (20019780)
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研究概要 |
本研究は,過冷却と壁面冷却を併用した合金融液の凝固により,形状とミクロ性の両固定を目的とする.即ち,試料内に分布した過冷却により,in-situにして急速な結晶を前駆的に領域形成し,後続する壁面冷却により,方向性のある微細組織とマクロ形状を固定するものである. 前年度までに,まずPb-Sn系合金を供試し,過冷却場における結晶の自由成長の過程,再熱・再質を伴う場が回復する待ち過程,さらには平衡凝固の過程の詳細を,凝固層の組織・組成のミクロ性を含めて明らかにした.さらにBi-Sn系に対する追加実験を行い,金属顕微鏡による組織の観察,SEMによる反射電子像,およびEPMAによる成分分析により凝固相のmorphologyとミクロ偏析の機構を実験的に明らかにした. 本年度は,これらの知見をもとに上記の過程を状態図の上で捉えた凝固モデルを提示するとともに,時系列的に生ずる凝固の素過程と伝熱過程をカップリングすることにより,凝固相のミクロ組織と組成を記述する速度論が確立された.特に,結晶の自由成長,ならびに壁面冷却のもとで結晶の肥大化の過程からなる非平衡凝固の利用は,新たな複合・傾斜性の材料の製造に対する有望な手法であり,今後はその制御が重要な課題となる.
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