配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
本年度は3年計画の最終年度にあたり,これまでの研究成果を集約し,本研究の最終目的である応用機器の種別に応じた交流超伝導線の設計手法の系統化を行った.交流超伝導線の設計の観点に立つと,応用機器は線のさらされる外部磁界のピーク磁界が1T以上の場合(高磁界応用,全超伝導発電機など)とそれ以下の場合(低磁界応用:変圧器,限流器等)とに分けることができる.また,低交流損失優先か安定性優先かによっても分けることができる.これら分類された機器に応じてそれぞれに適した線材の設計手法を明らかにした.以下,その内容を要約する. (1)磁気的不安定性に対する安定化 まず,自己磁界に対する磁気的不安定性を起こさない条件を求め,その妥当性は実験によって検証した.安定条件は線断面のフィラメント領域の厚さと臨界電流密度,温度マージンにより決まり,目的に応じて線の安定化設計が可能になった. (2)交流損失の低減手法の明確化 高磁界では交流損失は外部横断磁界による損失が優勢であるので,従来交流超伝導線に於いて追求されてきたフィラメント径の微細化と撚りピッチの短小化が有効である.低磁界では,通電に伴う自己磁界と外部縦磁界に起因する損失が優勢であり,フィラメント径の微細化は必ずしも重要でない.また,従来あまり知られていなかったが,撚りピッチの短小化も損失低減に有効であることを見出した.外部磁界条件を与えることにより,低磁界での損失を最小にする線設計条件を明らかになった. (3)機械的擾乱に対する安定化 損失と機械的擾乱に対する安定性を支配する安定化銅の断面内における占有面積および配置との関係を明らかにし,安定性と損失のトレードオフを定量的に把握できる様にした. 以上の成果の詳細は報告書にまとめた.
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