研究概要 |
水中での気泡発生用ガスとして空気を用い,放電を起こさせた場合には,窒素によると思われる淡い青色の発光が観測された。他方,空気の代わりにHeを用いた場合には,He特有の淡いピンク色の発光が観測された。半円柱状電極対を用いた実験では,電極間に泡がある場合と無い場合の電極間印可電圧波形上に違いが確認された。即ち,泡がある場合には,電圧波形のピーク値付近に微小震動波形の重畳が確認された。電極間隔7.6mmにおいて,電源部のキャパシタの充電電圧17kVで,電極間印可電圧のピーク値は100kV以上にもなり,この時に流れた電流のピーク値は約2.3kAであった。泡の発生割合を比較的低くした(即ち,発散器内の空気圧を低くした)場合の気泡周辺の放電の様子を観察すると,放電は気泡の周りおよび気泡中で行なっていることが放電写真より明らかとなった。 他方,半円柱状電極とワイヤ電極系を用いた実験では,放電写真による観察では,典型的な放電は,ワイヤ電極周辺で連続的(数珠玉状)に発生している。しかしながら,気泡内での放電については,現在のところ明らかでない。この実験の場合も,泡がある場合には,電極間印可電圧波形および電極間を流れる電流波形上に震動波形が重畳することが確認された。 これらの実験では,いずれもパルスパワー技術が導入されたものであり,従来の高電圧発生技術では得られなかった現象を実現することができた。 これまでに,放電処理後の水の分析を試みたが,オゾンなどの発生を確認するに至っていない。
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