研究課題/領域番号 |
06555093
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 助教授 (20115380)
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研究分担者 |
平田 豊明 大阪真空機器製作所, 開発本部, 課長
武井 重人 信州大学, 工学部, 助手 (50262689)
松本 光功 信州大学, 工学部, 教授 (80020981)
榮岩 哲二 信州大学, 地域共同研究センター, 助教授 (60175528)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | バリウムフェライト / 酸化物薄膜 / スパッタリング / 薄膜磁気ディスク / 対向ターゲット / 磁性薄膜 / 高密度記録媒体 / 六方晶フェライト薄膜 / 酸化物磁性薄膜 |
研究概要 |
本研究では、スパッタ法を用いた六方晶バリウムフェライト薄膜ハードディスクに対する・低温形成法の確立を主目的としている。これに必要な装置として対向ターゲット式スパッタ装置を基本として、複合型ターボポンプ、高性能永久磁石、基板加熱等目的にかなった機能を付加してバリウムフェライト薄膜ハードディスクの形成装置を試作した。特に、高性能排気系の導入により、ハスッタガスを主バルブを閉じることなく数Torrまで導入でき、これによって不純物ガスの極めて少ない状態での薄膜形成が可能となった。純鉄などの強磁性ターゲットを用いた装置の特性評価によって、高密度プラズマの形勢が容易にできることを明らかにした。 バリウムフェライト薄膜を室温もしくは低基板温度で形成し、その後大気中で熱処理を施すことによって結晶化を行うといった、実際の記録媒体の大量生産に適応できるようなプロセスを提案し、薄膜の特性評価を行った。あわせて、通常用いられている直流2極マグネトロンスパッタ法とのちがいについても検討を加えた。その結果、マグネトロンスパッタ法では組成ずれが大きくバリウムの濃度が減少していること、またその結晶化温度は本研究で試作した対向ターゲット式スパッタ法によって得られた薄膜と比較して高いということを明らかにした。このことは実際の製造プロセスにおける大きなメリットとなる。さらに、試作した形成装置において、基板温度を変化して形成した薄膜について検討した結果、薄膜形成時の基板温度によって結晶配向方位が異なるということが明らかになった。低温で形成した薄膜は、その磁気的性質、特に記録媒体として重要な因子である保磁力の制御が熱処理温度で制御できることが明らかになった。実際のハードディスクを試作し、その電磁変換特性を評価した結果、作製条件などの最適化はなされてないが100kbpit程度の高密度記録が容易に実現できることが明らかになった。今後、レーザー光等を用いた高速結晶化ならびに結晶粒子の微細化の研究を展開していくことによって、より高性能なバリウム薄膜ハードディスクの形成が可能となる。
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