研究分担者 |
岡田 実 大阪大学, 工学部, 助手 (10252587)
宮本 伸一 大阪大学, 工学部, 助手 (50252614)
塚本 勝俊 大阪大学, 工学部, 講師 (10207342)
三瓶 政一 大阪大学, 工学部, 助教授 (50252599)
森永 規彦 大阪大学, 工学部, 教授 (30029102)
原 晋介 大阪大学, 工学部, 助手 (80228618)
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研究概要 |
平成7年度においては,マルチキャリヤ変調信号の復号に必要となるシンボル同期および周波数同期方式の開発を新たに行い,同期推定誤差を最小化する最適同期推定方式を新たに提案した.本方式は、同期推定のための既知パイロット信号が不要であり,特にパケット型の伝送において効率的な動作が可能である.まず,計算機シミュレーションにより提案方式の同期推定特性を評価し,有効性を確認した.次に,マルチキャリヤ変復調装置の試作開発を行った.この試作装置は,中間周波数帯におけるマルチキャリヤ変調信号の生成および処理を行う送信部,平成6年度において検討した室内無線伝搬路のモデルに基づく伝搬路シミュレータおよび上記最適同期推定方式を適用したディジタル信号処理によるマルチキャリヤ変調受信部から構成されており,総合的な伝送特性の評価が可能な形となっている.試作装置では,動画像まで含むマルチメディア伝送への適用を考慮に入れて,約8Mbpsのディジタル伝送が室内無線伝搬路において可能となるようにパラメータの最適化を行っている.また,所要伝送速度の変動に対応するため,パケット伝送を適用した. 試作したマルチキャリヤ変調装置の同期推定特性やビット誤り率特性などの伝送特性について評価を行った.その結果,提案した最適同期推定方式では非常に高速な同期確立が可能であることを示した.このことから,マルチキャリヤ変調信号を用いたパケット伝送が効率的に行うことができることを明らかにした.また,試作装置により理論限界値に近いビット誤り率特性による伝送が可能であった.これらのことから,総合的にマルチキャリヤ変調方式が良好に動作することを明らかにし,室内伝搬路における高速,マルチメディアディジタル伝送技術の一つとして有効であることを示した.
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