研究分担者 |
川口 健一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40234041)
田波 徹行 太陽工業, 技術研究所, 主任研究員
大森 博司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90092387)
真柄 栄毅 竹中工務店, 技術研究所, 主任研究員
高山 誠 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40064472)
|
研究概要 |
大スパン構造や大規模生産施設等に用いられる3次元複合構造の耐震,耐風,耐雪設計は安全性や機能性の確保上重要な課題である。これらの構造は形状や荷重条件が複雑であり,特に,軽量構造の場合には大変位が生じやすく,実験が困難であることにより精度の高いデータの収集ができにくく,設計時におけるデータが不足している。 本研究では,大変位を示す軽量空間構造に対して,構造実験用の自動化試験装置をロボット化を目標として開発することにある。多点式かつ3次元的載荷を可能とするため,6角型の支持構造を試作し,電動式アクチュエータによる載荷および変位や加速度などの測定を一体化したコンピュータ制御の試験装置を試作した。試験装置の作動性と制御・収録用ソフトの有用性を検討,調査するため,偏平アーチの変位制御型載荷による座屈実験を実施した。 本試験装置による実験対象として,空間骨組構造とポール,ケーブル,膜を組み合わせたハイブリッド構造を採用している。試験装置の設計を行うに当り,これらの2種類を選定した理由は次の通りである。空間骨組構造(スペースフレーム)はシェル効果により比較的高い剛性を持ち,エネルギーの急激な放出現象である構造安定挙動が重要な調査内容となること。一方、ハイブリッド構造は剛性の小さな構造で大変位性状と変位の増加に伴う抵抗型式の変化に構造特性があること。本試験装置はこれらの機能を満足するように仕様を決定した。 空間骨組構造の既往の研究を調査するとともに,研究の少ない半球を両端に持つ単層ラチスシェルの座屈荷重を理論および数値解析で調査した。さらに,2次曲面で表現される偏平ラチスシェルを,ラチスのみの場合と面内剛性を高めるために挿入する薄肉パ-ツを,実験用に試作した。
|