研究課題/領域番号 |
06555189
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
近藤 繁雄 松下電池工業(株), 技術研究所, 室長
棚橋 一郎 松下電気産業(株), 中央研究所, 研究員
町田 信也 甲南大学, 理学部, 講師 (10190381)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50137238)
小和田 善之 兵庫教育大学, 自然系, 講師 (90205542)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1995年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1994年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | メゾスコピック複合体 / 超イオン伝導体 / 超急冷法 / ゾル-ゲル法 / 微細組織 / エレクトロクロミック素子 / プロトン伝導 / 結晶化速度 / ゾル・ゲル法 |
研究概要 |
本研究では、結晶材料と非晶質材料を複合化することによって、両者の特徴を生かした新しいタイプの超イオン伝導材料を創製し、その生成機構やイオン伝導機構を明らかにするとともに、全固体二次電池やエレクトロクロミック表示素子、電気二重層キャパシターなど、種々の電気化学素子への応用を図ることを目的としている。本研究で得られた成果を以下に示す。 1 AgIを多量に含む融液を超急冷することにより、α-AgIをガラスマトリックス中に分散した複合体を作製した。この複合体は、室温で極めて高いイオン伝導度を示し、伝導の活性化エネルギーは、α-AgIと超イオン伝導ガラスの中間の値を示すことがわかった。 2 AgIとガラスマトリックスからなるメゾスコピック複合体の生成プロセスを理解するために結晶化の速度論的検討を行った。その結果、α-AgIの核は、その数を増すことなく3次元的に成長する結晶成長機構を有し、活性化エネルギーは、通常の酸化物系のガラスよりも小さい値をとることがわかった。 3 種々のプレンステッド酸をシリカゲルにドープした複合体を作製した。HClO_4,WPA,H_2SO_4,H_3PO_4をドープした場合に、室温において、10^<-4>〜10^<-1>Scm^<-1>と高い伝導性を示すバルク状複合シリカゲルおよび複合シリカゲル薄膜が得られた。高い伝導性を示したドーパントは、H_2Oとの相互作用が強く、酸性度が高い電解質であることが分かった。 4 HClO_4をドープしたシリカゲル薄膜をWO_3を着色層とするエレクトロクロミック素子の電解質に応用したところ、良好な着消色特性が得られた。 5 H_3PO_4をドープした複合シリカゲルの赤外吸収スペクトルを測定したところ、H_2Oの吸着量が多いほど、オルトリン酸に帰属されるピークの強度が増し、それに伴って伝導度も向上した。添加したリン酸はオルトリン酸の状態でゲル中に安定に存在し、プロトン伝導に有利な水素結合のネットワークを形成しているものと思われる。
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