研究概要 |
水素/酸素混合ガスバーナー試験は比較的小型で,加熱/冷却条件とそれに伴う温度,熱流束及び熱応力状態を簡便に設定できること,AEセンサーを組み込むことにより熱衝撃き裂の発生時期及びき裂進展に伴う損傷の把握が可能であること,遮熱性および耐熱性を簡単なパラメータによる評価できること,試験が短時間で終了することなどにより傾斜機能材料の実環境模擬試験として大いに将来性がある. 本研究の計画通りに,自動化と基準化を重視した設計に基づいた評価システムの試作及び調整が完了した.まだ,計測システム及びデータ解析のためのソフトウエアも開発した.一連の予備実験の結果を総括してみると,本評価システムによって傾斜機能材料の耐熱衝撃特性および遮熱特性などを忠実に評価できることがわかった.加熱/冷却条件を幅広く制御することが実現され,それによって,溶射法,CVD法,燃焼合成法あるいは粉末冶金法で合成された傾斜機能材料対して,実環境に近い方式で温度落差条件下における熱衝撃試験を実施できた. 更に,粉末冶金法によって作製されたSiC/AIN/Mo系遮熱型傾斜機能材料とAIN/W系ヒートシンク型傾斜機能材料およプラズマ溶射法によって作製されたジルコニア/CrAlNi系遮熱型傾斜機能材料について,傾斜機能化の優位性が立証された結果が得られた.温度落差条件下における傾斜機能材料の熱衝撃破壊特性の解明のための基礎データを蓄積できた.
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