研究課題/領域番号 |
06555195
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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研究分担者 |
名和 正弘 松下電工(株), 中央研究所, 主査(研究職)
左 容昊 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10283805)
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
中平 敦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90172387)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
大島 健司 ノリタケカンパニー(株)開発本部, 副主事
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1994年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | ナノコンポジット / 破壊靭性 / 破壊強度 / ナノ粒子 / 双方向ナノコンポジット / セラミックス基複合材料 / 界面構造 / 複合材料 / 破壊靱性 / セラミックス / ナノ複合材料 / 機械的性質 / 磁気的性質 / セラミックス複合材料 |
研究概要 |
本研究者らのこれまでの研究成果を基礎にして、(1)ナノサイズのセラミックス、金属が第2相としてセラミックス及び金属の結晶粒内に相互に分散したセラミックス/金属ナノ複合材料を焼結法で作製し、(2)これら材料のミクロ及びナノ構造を高分解能電子顕微鏡などで観察すると共に、(3)製造したナノ複合材料の強度・靭性等の機械的特性を測定評価する。これをもとに(4)ナノ分散したセラミックスや金属の役割を明確にし、(5)最終的には、超靭性・超強度を示すセラミックス/金属双方向ナノ複合材料の開発が可能であることが示された。 以下、その結果を報告する。ナノメーターサイズの金属をセラミックスマトリックスの粒子内あるいは粒界に分散させた粒界及び粒内型傾斜機能ナノ複合材料を、種々のプロセスにより作製することに成功した。これら材料では、数10〜100nmの微細な金属が均一に分散しており、室温での破壊強度、硬度などの機械的性質が単相材料に比較して著しく改善されることが示された。セラミックス/金属の界面には反応相などは無いものの、金属の種類やそのサイズによって構造の乱れが存在することが示された。また、このようなセラミックス/金属ナノ複合材料をさらに、制御することによってMo/Zirconiaでは、セラミックス/金属と金属/セラミックスの相互ナノ複合材料を作製することができた。この相互ナノ複合化の効果を用い作製した材料の機械的特性は、強度、靭性とも大幅に改善された。これらの特性は、従来、転移強化セラミックスでは限界と考えられて来た強度、靭性のトレードオフを打破するものと位置付けられる。これらの優れた特性の発現は、ジルコニアの変態強化機構に加え、金属相添加によるクラック近辺での応力緩和機構に基づく本質的な靭性の改善、及び、相互ナノ複合化によろ組織の微細化などの相乗効果に起因するものと想定される。以上の一連の研究を通じて、従来にないレベルでの傾斜機能材料の開発に繋がるナノレベルの組織制御や界面制御によるセラミックス/金属ナノ複合材料の作製とその機械的特性の改善に成功した。この様なセラミックス/金属ナノ複合材料では機械的特性の改善のみならず、電気的・磁気的な新たな機能を付与することも将来的に可能であると考えられ、最終的には機械的特性と何らかの機能性を合わせもった機能性構造材料が具現できるものと期待される。
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