研究分担者 |
田村 仁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20236756)
今川 信作 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (10232604)
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10166069)
佐藤 定男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20235344)
山本 純也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (00029208)
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研究概要 |
大型ヘリカル装置,国際熱核融合実験炉,ベンデルシュタイン7-Xといった大型のプラズマ実験装置が設計・製作され,これらの装置のための大型超伝導導体の開発や,大型超伝導コイルの製作が進められている。大型超伝導コイルは,4.4Kといった極低温で運転され,10KA以上の大きな電流が流される。したがって、このような環境下での超伝導導体の機械的特性を評価することが重要であり,本研究はそのことを目的としたものである。本研究成果は以下のようにまとめることができる。 1.NbTi線材(Cuを1.0〜2.0の割合で含有するStrand)を常温で強加工すると、Cu部の電気抵抗特性が劣化し,そのため,極低温下でのクエンチ後の回復が遅れる。一方,極低温下で局部的に変形を与えた場合には,切断直前に至るまでクエンチ後の回復特性は変化しない。これは,Cuの電気抵抗特性が極低温下での変形にあまり依存しないためであり,NbTiフィラメントが断線することにより超伝導特性が損われることになる。 2.大型ヘリカル装置に用いられる大型超伝導導体はかなり安定した導体であり、コイルパック試験によりその変形を予測することができる。超伝導安定化材である高純度Alは,変形抵抗を減少させるが,外的な機械的変形(曲げなど)を受けても超伝導特性は損われない。 3.大型ヘリカル装置の中で最も小型の内側垂直磁場コイルの冷磁時の変形を計測し、ほぼ予測どおりの変形を生じることを確認した。強磁場中での変形の計測にあたっては,変位検出器の磁場依存性を知ることはいうまでもないが,計測線のノイズ対策が大変重要である。
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