研究課題/領域番号 |
06555256
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
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研究分担者 |
中村 成夫 九州大学, 工学部, 助手 (00264078)
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
塚越 一彦 九州大学, 工学部, 助教授 (60227361)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 鋳型重合 / ラテックス / イオン交換樹脂 / 分子認識 / 金属イオン / 分子刷り込み |
研究概要 |
金属資源の再循環、有効利用に関連して、高選択的な金属捕捉樹脂の開発が重要な研究課題になっている。具体的には、イオン認識能に優れた機能体(ホスト、人工リセプター)を安価、大量に製造するための基礎反応の確立が急務である。鋳型ラテックス重合は、油水界面という特殊な分子認識の場をイオン交換樹脂の製造過程に導入する試みである。 まず最初に我々は、配位構造が異なる代表的な金属イオンCu(II)およびZn(II)について、鋳型樹脂の合成方法を検討し、系統的評価を行った。機能性モノマーとしてオレイン酸ヒスタミンアミド、架橋剤としてジビニルベンゼンを用い、Cu(II)およびZn(II)に対する鋳型ラテックスを合成した。これらの樹脂による金属イオン吸着特性を検討したところ、鋳型樹脂は非鋳型樹脂に比べ効率よく吸着することができた。しかしながら、選択性に関してはあまりよい結果は得られなかった。そこで特異性向上のために、副界面活性剤を添加して重合中のエマルションを安定化させた。非イオン性の副界面活性剤を加えた場合にCu(II)選択性の著しい向上が見られた。 さらにCd(II)を鋳型とする樹脂も合成した。Cd(II)鋳型樹脂は極めて高いCd(II)選択性を有していた。また、リン酸エステル型界面活性剤を機能性モノマーとして用い、Eu(III)、La(III)などの希土類金属を対象とした鋳型樹脂の合成も試みた。DOLPAを機能性モノマーとした系で、Eu(III)鋳型樹脂はEu(III)選択性を示した。 以上、我々の開発した界面鋳型重合法により得られる鋳型ラテックスを、新規金属イオン分離素材として適用することの可能性が示された。本手法は、種々の機能性界面活性剤をデザインし副界面活性剤と組み合わせることにより、各種金属イオンに対する選択性を向上させることが原理的に可能である。
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