配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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研究概要 |
環境中に微量に存在する有機汚染物質の光無害化は,対象となる基質濃度が極めて低いために酸化チタンを光触媒として用いただけでは光分解反応が遅く,完全な処理には長い時間を要する。この問題を解決する方法として,種々の吸着剤に酸化チタンを担持させた光触媒を調整し,これらを用いて数種類の基質について光分解挙動を調べた。その結果,以下の知見が得られた。 (1)酸化チタンを担持した吸着剤粉末をスライドガラス上に固定した光触媒は気相中のプロピオンアルデヒドを良く吸着した。この光触媒膜に光照射したところ,酸化チタンのみを用いた場合によも反応速度は増大したが,その度合いは用いた吸着剤の種類によって異なることを見出した。吸着した基質の拡散性が大きい光触媒膜ほど光分解反応速度が大きかったことから,基質の吸着による酸化チタン近傍への濃縮に加えて、吸着した基質の光触媒上での拡散性が酸化チタン担持吸着剤光触媒の光触媒活性を決定する要因であることが明らかとなった。(2)活性炭に担持した酸化チタン光触媒を用いて液相中のプロピサミドの光分解を行なったところ,基質の光分解過程で生成いた基質の部分酸化生成物のほとんど全てが光触媒上に吸着していた。このことから酸化チタン担持活性炭光触媒は有害な副生成物を系中に放出することなく基質を二酸化炭素にまで完全に光分解できることが明らかとなった。(3)異なる粒径を有する活性炭粒子(30〜500μm)に,いずれも同量の酸化チタン粒子を担持した光触媒を用いて水溶液中の4-クロロトルエンの光触媒分解反応を行ったところ,担体として用いた活性炭粒子が大きくなるほど光分解速度が減少した。この知見から活性炭粒子内部に吸着した基質の粒子表面に担持されている酸化チタン粒子への拡散が全分解反応速度を決定しているとの結論が得られた。
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