研究課題/領域番号 |
06555266
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島田 昌彦 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (80029701)
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研究分担者 |
今西 雄一郎 日本ガイシ(株), 研究開発本部機能部品研究所, グループリーダー
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 教授 (30176797)
滝沢 博胤 東北大学, 工学部, 助教授 (90226960)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 加圧焼結 / 鉄シリサイド / 粒子配向 / 熱起電力異方性 / 電気伝導度異方性 / ゼ-ベック係数 / 高温熱電特性 |
研究概要 |
鉄シリサイド系熱電変換素材に関するこれまでの研究成果を踏まえ、加圧焼結法により粒子形態・配向に異方的な微細構造を有するベータ型鉄ダイシリサイド系焼結体を作製し、熱電特性、エネルギー変換効率の異方性を評価するとともに、高効率化と実用化への指針を得るための基礎的研究を行った。 1.出発原料のFe,Ru,Si,Cr(P型),Co(n型)粉末を所定比秤量・混合後、シリカチューブを用いた真空封入法により1100℃、48時間焼成してα相とε相の混合相を合成した。続いて真空封入法で850℃、168時間の長時間アニールによりβ相を単一相として合成することが出来た。このようにして得られたβ相の粉末をBNカプセルに封入し、ベルト型超高圧発生装置で3.0GPa,800℃で30分高圧焼結反応を行って焼結体を作製した。加圧焼結法として、30MPa,800℃,5時間のホットプレス焼結反応によっても焼結体を作製し、超高圧焼結法で作製した試料との比較検討を行った。 2.加圧下での溶融・凝固法で得た焼結体は、高温相(α相)とFeSi(ε相)の混合相であった。しかし、得られた焼結体は緻密で、かつ、α相粒子は加圧軸に平行な粒子配向をした微細構造を有しており、長時間アニールによって、特異な粒子形態・配向を有するベータ相焼結体を作製する新しい焼成プロセスを見出したものと考えられる。 3.超高圧焼結法で作製したβ-Fe_<0.92>Ru_<0.05>Cr_<0.03>Si_2(P型)焼結体のゼ-ベック係数を1100Kまで測定した結果、加圧軸に対して垂直方法のゼ-ベック係数(α_x)は加圧軸に対して平行方向の値(α_z)より1.5培程大きく、約750Kで330μv/Kの値を有することが判明した。一方、電気伝導度は加圧軸に対して平行方向の値(σ_z)の方がやや高い値を示した。真空焼結体は上述したような異方性を示さず、熱電特性の異方性は高圧焼結法によって作製した焼結体だけに発現することが判明した。 4.加圧焼結法で粒子配向した焼結体を作製することで、性能指数を改善することが判明し、ホットプレス法によって工業材料化の可能性を明らかにすることができた。
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